誰もが驚くような美しい演奏を披露するピアニストも、かつては鍵盤の叩き方すら知らない初心者でした。
華やかな成功に目を奪われがちですが、それらはすべて目に見えない地道な積み重ねによって支えられています。
そんな物事の本質を、「万丈高楼も土台から」(ばんじょうのこうろうもどだいから)と言います。
意味・教訓
「万丈高楼も土台から」とは、どんなに高く立派な建物であっても基礎が最も重要であるように、何事も基本が大切であるという意味です。
大きな成功や遠大な目標も、まずは身近で基本的なことを確実にこなすことから始まるという教訓を含んでいます。
- 万丈(ばんじょう):非常に高いことのたとえ。「丈」は長さの単位。
- 高楼(こうろう):高くそびえ立つ立派な建物。
- 土台(どだい):建築物の基礎となる部分。
語源・由来
「万丈高楼も土台から」の由来は、建築における普遍的な事実に基づいています。
一丈は約3メートルを指し、万丈とはそれが一万倍、つまり約3万メートルという極めて高い様子を意味します。
しかし、それほど天高くそびえる高層ビルであっても、地面の下にある土台がしっかりしていなければ一瞬で崩れ去ってしまいます。
この物理的な理屈を、人間の学問や技芸、事業の成功に例えて使われるようになりました。
使い方・例文
「万丈高楼も土台から」は、基礎をおろそかにして先を急ぐ人を戒めたり、初心者に基本の大切さを説いたりする場面で使われます。
「まずは足元を固めよう」というポジティブな促しとして用いられることが多い言葉です。
例文
- 応用問題に詰まるたび、万丈高楼も土台からだと言い聞かせて教科書を読み直す。
- 新人選手が毎日単調な基礎練習を繰り返すのは、万丈高楼も土台からと考えているからだ。
- 大きなプロジェクトを前に、万丈高楼も土台からという言葉通り、まずは市場調査に時間をかける。
類義語・関連語
「万丈高楼も土台から」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから):
どんなに遠い旅路も、まずは足元の第一歩から始まるということ。 - 九層の台も累土より起こる(きゅうそうのだいもるいどよりおこる):
九階建ての高い台も、もっこ一杯の土を重ねることから始まるということ。 - 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる):
ごくわずかなものでも、積み重なれば大きなものになるということ。
対義語
「万丈高楼も土台から」とは対照的な意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 砂上の楼閣(さじょうのろうかく):
砂の上に建てた高殿のように、基礎が固まっておらず長続きしないこと。
英語表現
「万丈高楼も土台から」を英語で表現する場合、以下の表現が適しています。
Rome wasn’t built in a day.
「ローマは一日にして成らず」
偉大な仕事は、長い年月とたゆまぬ努力の積み重ねが必要であるというたとえです。
- 例文:
Success takes time; Rome wasn’t built in a day.
成功には時間がかかる。ローマは一日にして成らずだ。
You have to learn to walk before you can run.
「走る前に歩き方を学ばなければならない」
何事も順序があり、応用に進む前にまずは基礎を身につけるべきであるという教えです。
- 例文:
Don’t rush into complicated tasks; you have to learn to walk before you can run.
難しい作業を急いではいけない。まずは基本からだ。
まとめ
「万丈高楼も土台から」は、天高くそびえる建物も地面に根差した基礎があってこそ成り立つという、当たり前ながら忘れがちな真理を説いています。
効率やスピードが重視される現代では、つい土台作りを飛ばして派手な成果だけを求めたくなるかもしれません。
しかし、一見遠回りに見える地道な習練や準備こそが、将来の大きな成功を支える盤石な支えとなります。
目の前の一歩を大切に積み重ねることで、目標も確かな形へと近づいていくことでしょう。







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