意味
「微に入り細を穿つ(びにいりさいをうがつ)」とは、ごく細かな点にまで注意が行き届いているという意味です。
「微に入り細に入り」という形でも使います。
- 微(び):ごくわずかで細かなところ。
- 細(さい):細かなところ。
- 穿つ(うがつ):穴をあける。隠れた点をつく。
語源・由来
この言葉は、「微に入り」と「細を穿つ」の二つを重ねた形です。
「穿つ」はもともと、穴をあける、掘るという意味の動詞です。
そこから、隠れた事情や細かい事実、人情の機微(= 表に出にくい細かな心の動き)を指摘するという意味でも使われるようになりました。
細かなところへ入り込み、さらに細かな点まで掘り下げる、という二つの言い方を重ねて、細部にまで気が回るさまを表しています。
使い方・例文
- 先生の解説は微に入り細を穿つもので、一度で仕組みが分かった。
- 祖父は旅の計画を微に入り細を穿って立て、乗り換えの時刻まで書き出した。
- 新しい校則が微に入り細に入り説明されたので、質問はほとんど出なかった。
類義語・関連語
細かいところまで念を入れる、という点で共通する語です。
- 至れり尽くせり(いたれりつくせり):
配慮がすみずみまで届き、申し分のないさま。細かさよりも、足りないところが無い十分さをいう。 - 入念(にゅうねん):
細部まで注意を払って、丁寧に行うこと。 - 丹念(たんねん):
心を込め、細かな点まで気を配って物事に当たること。 - 克明(こくめい):
一つ一つに念を入れ、手落ちが無いさま。
英語表現
fine-tooth comb
歯の目が細かいくし。
転じて、すみずみまで念入りに調べる手立て。
She checked the contract with a fine-tooth comb.
(彼女は契約書を微に入り細を穿って確かめた。)
「うがった見方」は6割が「疑って掛かる」と回答
「穿つ」は、ほかの言い回しにも使われています。
穴をあける意味では、「雨垂れ石を穿つ」や「涓滴岩を穿つ」といったことわざに出てきます。
物事の本質をうまく言い表す意味では、「うがった見方」という言い方があります。
文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」で「うがった見方をする」の意味を尋ねたところ、本来の意味とされてきた「物事の本質を捉えた見方をする」を選んだ人は32.7%でした。
一方、「疑って掛かるような見方をする」を選んだ人は60.7%でした。
「微に入り細を穿つ」の「穿つ」は細かな点まで掘り下げる意味で、疑ってかかる意味は含みません。

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