「花鳥風月」「風流韻事」「晴耕雨読」など、風流・風雅を表す四字熟語を集めました。
自然を愛でる、詩歌・酒・琴などを楽しむ、俗世を離れたのびやかな暮らし、風流人と故事の4つに分けて読みと意味を紹介し、最後に風流の意味で使うと注意が要る語をまとめています。
年賀状や書き初め、作品名に使う言葉を選ぶときの参考にしてください。
自然を愛でる風流を表す四字熟語
自然の美しい風物や、それをながめて楽しむことを表す四字熟語です。
- 花鳥風月(かちょうふうげつ):
自然の美しい風物や、それを味わって詩歌や絵の題材にする風流。 - 雪月風花(せつげつふうか):
雪・月・風・花に代表される、四季それぞれの美しい自然や、それをながめて詩歌を作る風流。
「風花雪月」ともいう。 - 春花秋月(しゅんかしゅうげつ):
春の花と秋の月で、季節ごとの自然の美しさのたとえ。 - 清風明月(せいふうめいげつ):
さわやかな風と明るく澄んだ月で、すがすがしい月夜の様子。
自然を心ゆくまで味わう風雅な遊びの意味にも使う。 - 嘯風弄月(しょうふうろうげつ):
自然の風物を友として、詩歌や風流を楽しむこと。
風に吹かれて詩を口ずさみ、月をめでる意から。 - 花朝月夕(かちょうげっせき):
花の咲く春の朝と、月の美しい秋の夕べで、春と秋の気候のよい時節。
その時節の景色をめでる意味もある。 - 中秋玩月(ちゅうしゅうがんげつ):
陰暦八月十五日の夜に、月をながめて楽しむこと。
「玩月」は月をめでる意。 - 月白風清(げっぱくふうせい):
月が白く輝き、風が涼しく吹く、静かで美しい夜の様子。
秋の月夜をいうのに使う。「風清月白」ともいう。 - 遊山玩水(ゆうざんがんすい):
景色のよい山や川を巡って、自然を存分に楽しむこと。 - 煙霞痼疾(えんかのこしつ):
自然の風景を愛する気持ちが、治らない持病のように強いこと。
隠居して自然に親しむ意味にも使う。「煙霞」はもやとかすみで、自然の風景のこと。同じ意味で「泉石膏肓」「煙霞の癖」ともいう。
詩歌・酒・琴などを楽しむ風流を表す四字熟語
詩歌を作る、酒を飲む、琴や碁をたしなむなど、風流な楽しみ方を表す四字熟語です。
- 風流韻事(ふうりゅういんじ):
自然に親しみ、詩歌や書画を作って楽しむ風雅な遊び。
色事の意味で使われることもある。 - 風流三昧(ふうりゅうざんまい):
自然に親しみ、詩歌を作るなどの風流な遊びに夢中になること。
「三昧」は一つのことに打ち込んで、ほかを顧みないこと。 - 曲水流觴(きょくすいりゅうしょう):
曲がりくねった小川に杯を流し、流れてきた杯が自分の前を通り過ぎるまでに詩歌を詠み、その酒を飲む風雅な遊び。
晋の書家王羲之が蘭亭に文人を集めて催したものが名高い。日本では「曲水の宴」と呼ばれた。「流觴曲水」ともいう。 - 一觴一詠(いっしょういちえい):
酒を一杯飲んでは詩を一つ詠む、風流な楽しみ。
「觴」は杯のこと。王羲之が蘭亭の集まりについて書いた文章にある言葉。 - 浅酌低唱(せんしゃくていしょう):
軽く酒を飲みつつ、低い声で詩や歌を口ずさんで楽しむこと。
「低唱浅酌」ともいう。 - 琴棋書画(きんきしょが):
琴を弾き、碁を打ち、書をかき、絵を描くという、文人の風雅なたしなみ。
昔の中国で知識人の教養とされた四つの芸で、日本でも屏風絵や襖絵の題材になった。 - 琴棋詩酒(きんきししゅ):
琴・碁・詩・酒を楽しむ、文人の風雅な遊び。
昔の中国で、教養のある人のたしなみとされた。 - 琴歌酒賦(きんかしゅふ):
琴を弾いて歌い、酒を飲んで詩を作る、俗世を離れた優雅な遊び。
世間から遠く離れて暮らす隠者の生活のたとえにも使う。 - 北窓三友(ほくそうのさんゆう):
琴と詩と酒の三つを、友にたとえていう語。
唐の詩人白居易の詩の題から。 - 呑花臥酒(どんかがしゅ):
春の日に花をながめて酒を飲み、酔えば横になって、花と酒を存分に楽しむこと。 - 林間紅葉(りんかんこうよう):
林の中で紅葉を集めて燃やし、酒を温めて飲む、秋の風流な楽しみ。
白居易の詩の一句「林間に酒を煖めて紅葉を焼く」から。 - 浮瓜沈李(ふかちんり):
瓜やすももを冷たい水に浮かべたり沈めたりする、暑さしのぎを兼ねた夏の風雅な遊び。 - 橘中之楽(きっちゅうのたのしみ):
囲碁や将棋を楽しむこと。
大きなみかんの実を割ると、中で二人の老人が将棋を指して楽しんでいたという中国の故事から。 - 花鳥諷詠(かちょうふうえい):
四季の自然と、それにともなう人の営みを、ありのままに詠むこと。
俳人の高浜虚子が、昭和2年(1927年)に俳句の本道として唱えた考え方。
俗世を離れたのびやかな暮らしを表す四字熟語
世間のわずらわしさから離れ、自然の中で気ままに暮らすことを表す四字熟語です。
- 晴耕雨読(せいこううどく):
晴れた日は田畑を耕し、雨の日は家で本を読む、悠々自適の暮らし。
定年後に望む暮らしを言うのにも使う。 - 悠々自適(ゆうゆうじてき):
世の中のわずらわしさにとらわれず、自分の思うままにゆったりと暮らすこと。 - 閑雲野鶴(かんうんやかく):
空に静かに浮かぶ雲と野に遊ぶ鶴のように、何にも縛られず、自然に親しんでのびのびと暮らすことのたとえ。
似た語の「孤雲野鶴」は、世俗を離れて暮らす隠者のたとえ。 - 山中暦日(さんちゅうれきじつ):
俗世を離れて、ゆったりと日々を過ごすこと。
「山中暦日無し」の略で、山の中で暮らすと月日のたつのも忘れるという意味。 - 一丘一壑(いっきゅういちがく):
俗世から離れ、自然の中に身を置いて風流を楽しむこと。
丘に登ったり谷で釣りをしたりする意から。「壑」は谷のこと。 - 一竿風月(いっかんふうげつ):
俗事にとらわれず、自然の中でゆったりと暮らすことのたとえ。
一本の釣りざおを手に、風や月を友とする意から。 - 梅妻鶴子(ばいさいかくし):
気ままで風流な暮らしぶりのたとえ。
宋の詩人林逋が世を避けて湖のほとりに住み、妻をめとらず、梅を妻、鶴を子として暮らしたことから。 - 枕石漱流(ちんせきそうりゅう):
俗世を離れ、山や川のほとりで自由に暮らす隠者の生活。
「石に枕し流れに漱ぐ」の形で使うことが多い。 - 山棲谷飲(さんせいこくいん):
山の中に住み谷川の水を飲むように、俗世間を離れて隠れ住むことのたとえ。 - 浴沂之楽(よくきのたのしみ):
名誉や利益を求めず、ゆったりと暮らす楽しみ。
孔子の弟子の曽皙が、春に沂水という川で水浴びをして歌いながら帰りたいと志を述べ、孔子が賛成したという『論語』の話から。 - 閑居養志(かんきょようし):
世の中を避けて静かに暮らし、自分の志を養うこと。 - 吸風飲露(きゅうふういんろ):
穀物を食べず、風を吸い露を飲んで生きる、仙人のような清らかな暮らし。
『荘子』にある言葉。 - 浮家泛宅(ふかはんたく):
舟を住まいにして水の上を漂い暮らす、隠者の生活のたとえ。 - 壺中之天(こちゅうのてん):
俗世を離れた別天地のこと。
後漢の費長房が薬売りの老人に頼んで壺の中に入れてもらうと、立派な御殿とごちそうがあったという故事から。酒を飲んで世の憂さを忘れる楽しみの意味にも使い、「壺中の天地」ともいう。
風流人・風流の故事を表す四字熟語
風流を愛した人や、その人たちの振る舞いから生まれた四字熟語です。
- 文人墨客(ぶんじんぼっかく):
詩文や書画など、風雅な道に親しむ人。
「墨客」は書画をよくする人のこと。 - 竹林七賢(ちくりんのしちけん):
魏・晋の時代、俗世を避けて竹林に集まり、酒を酌み交わしながら清談(= 老荘の思想などをめぐる議論)を楽しんだという七人の隠者。
阮籍・嵇康らを指す。転じて、風流を語り合う人や、世を逃れて暮らす人のたとえにも使う。 - 淵明把菊(えんめいはきく):
風流をこよなく愛する人のたとえ。
酒と菊を愛した東晋の詩人陶淵明が、重陽の節句(= 陰暦九月九日)に酒がなく菊を摘んでいたところ、地方の長官の使いが酒を届けに来て、その場で飲んで酔って帰ったという故事から。 - 剡渓訪戴(えんけいほうたい):
中国の故事をもとにした画題(= 絵の題材)。
晋の王子猷が雪の夜に思い立って、剡に住む友人の戴逵を訪ねたが、門の前で気が済み、会わずに引き返したという話による。わけを問われ、興に乗って来て興が尽きたから帰るのだ、と答えたという。 - 雅人深致(がじんしんち):
風雅で品のある人に備わる、深い趣。
風流の意味で使うと注意が要る四字熟語
風流の言葉と並べて紹介されることがありますが、風流な暮らしや楽しみを表す語ではない四字熟語です。
- 山紫水明(さんしすいめい):
日に照らされて山が紫に見え、川の水が清らかに澄んでいる、景色の美しさ。
景色をほめる語なので、風流な暮らしや心を表すつもりで使うと意味が合わない。 - 風光明媚(ふうこうめいび):
自然の景色が清らかで、とても美しいこと。
これも景色をほめる語で、暮らしぶりの風流を表すのには向かない。 - 杜門却掃(ともんきゃくそう):
門を閉ざし、世間との付き合いを断つこと。
人を避けて閉じこもる意味なので、自然や詩歌を楽しむのびやかな暮らしの意味で使うと外れる。 - 傲世逸俗(ごうせいいつぞく):
世間を見下し、俗世から逃れること。
世の中を侮る含みがあり、俗世を離れた暮らしをほめるつもりで使うと、かえって悪い意味に受け取られる。 - 安居楽業(あんきょらくぎょう):
今の住まいや地位に満足し、仕事を楽しんで励むこと。
世の中が平和で、人々が安心して暮らす様子にもいう。俗世を離れる意味は無いので、隠居や風流な暮らしの言葉としては使えない。





コメント