矢も盾もたまらず

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慣用句
矢も盾もたまらず
(やもたてもたまらず)
異形:矢も楯も堪らず

9文字の言葉」から始まる言葉
矢も盾もたまらず 意味・使い方

抑えきれない衝動に突き動かされ、今すぐ行動を起こさずにはいられない切迫した心理状態。
このような状態を表すのが、「矢も盾もたまらず」(やもたてもたまらず)です。

意味

矢も盾もたまらずは、ある強い思いが極まって抑えきれなくなり、行動を起こさずにはいられないという意味です。

飛んでくる矢やそれを防ぐ盾といった、戦いにおいて本来最も重要であるはずの武具の扱いにさえ構っていられないほど、切羽詰まった状況を比喩しています。

語源・由来

江戸時代の滑稽本『浮世床』に用例が見られます。

向かってくる敵の猛勢に対し、攻撃のための「矢」を用いても、防御のための「盾」を用いても到底防ぎきれないという、戦場における物理的に制止不可能な状況が転じた言葉です。
そこから、自らの内に湧き上がる強い感情や行動への衝動を、いかなる手段をもってしても抑えきれない様子を表すようになりました。

使い方・例文

「矢も盾もたまらず」は、強い好奇心や喜び、不安などで居ても立っても居られない場面で使われます。

  • 知らせを聞いた彼は、矢も盾もたまらず現場へと急行した。
  • 欲しかった本が発売され、矢も盾もたまらず書店に走る。
  • 大舞台に立つ我が子を、矢も盾もたまらず客席から見守った。

類義語・関連語

「矢も盾もたまらず」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 居ても立っても居られない(いてもたってもいられない):
    不安や興奮などの強い感情により、落ち着かない様子。
  • 気が気でない(きがきでない):
    心配や不安な気持ちが強く、心が全く落ち着かない状態。
  • うずうずする
    ある行動を起こしたくて、気持ちが抑えきれない状態。

対義語

「矢も盾もたまらず」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 冷静沈着(れいせいちんちゃく):
    感情に振り回されず、落ち着いて物事に対処する様子。
  • 泰然自若(たいぜんじじゃく):
    何事が起きても慌てず、ゆったりと落ち着いている状態。
  • 明鏡止水(めいきょうしすい):
    邪念がなく、静かに澄み切って落ち着き払った心の状態。

英語表現

cannot help but do

意味:思わずある行動をとってしまうこと

  • 例文:
    He could not help but run to the hospital.
    彼は病院へと走らずにはいられなかった。

「矢も盾もたまらず」は、感情が一点に収束したときの言葉

「矢も盾もたまらず」と同じく、強い衝動を示す言葉に「居ても立っても居られない」があります。
どちらもじっとしていられない心理状態を表しますが、ニュアンスには違いがあります。

「居ても立っても居られない」は、不安や心配、あるいは期待によってそわそわとし、気持ちが落ち着かない様子を表します。
結果を待つ時間や、状況が進展しない焦れったさの中で使われることが多い表現です。

一方、「矢も盾もたまらず」は、衝動や感情が臨界点に達し、その勢いのまま特定の行動へと向かう切迫感の強度が際立ちます。
「居ても立っても居られない」が内側の揺れを描くとすれば、
「矢も盾もたまらず」はその揺れが一点に収束し、今すぐ動かずにはいられないという状態を指します。

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