意味
「ローマは一日にして成らず(ろーまはいちにちにしてならず)」とは、古代ローマほどの大国も一日で築かれたわけではないことから、大きな仕事ほど短い期間では仕上がらず、完成には相応の時間と地道な積み上げが要るという意味です。
語源・由来
この言葉のもとになった英語のことわざは、中世フランスの言い回しを移したものとみられます。
1190年頃にまとめられたフランスのことわざ集『Li Proverbe au Vilain』に、「Rome ne fu pas faite toute en un jour」という形で収められているとされます。
その後、イギリスの劇作家ジョン・ヘイウッドが1546年に出版したことわざ集に、英語で「Rome was not built in one day」として収められました。
やがて「Rome was not built in a day」の形で、英語圏でも広く定着しました。
日本では、明治21年(1888年)に西洋のことわざを集めた『英和対訳 泰西俚諺集』が、「羅馬は一日にして建れず」と訳しています。
はじめは訳し方がまちまちで、明治の後期ごろから今の「ローマは一日にして成らず」の形が多くなりました。
使い方・例文
焦りを感じている人を励ますときや、大きな成果の裏にある長い積み重ねを語るときに使われます。
何年もかかる事業や目標に使う言葉で、一か月ほどで終わる工事のような短い仕事に使うのは避けたほうが自然です。
- プロを目指して練習を始めたばかりなのに、結果が出ないと焦る後輩に、「ローマは一日にして成らずだよ」と声をかけた。
- 世界有数と呼ばれるこの楽団も、創立から百年かけて音を磨いてきた。ローマは一日にして成らずである。
- 語学は、ローマは一日にして成らずと思って、毎日少しずつ続けるしかない。
類義語・関連語
時間をかけた積み重ねの大切さを説く言葉には、以下のようなものがあります。
- 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから):
どんなに遠い道のりでも、まずは足元の一歩を踏み出すことが肝心だということ。 - 雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ):
わずかな努力でも、長く積み重ねれば大きなことを成し遂げられるということ。 - 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん):
つらい時期も辛抱強く続けていれば、やがて状況が開けるということ。 - 継続は力なり(けいぞくはちからなり):
続けることそのものが実力となり、成果を支える基盤になるということ。
「ローマは一日にして成らず」と類義語の違い
似た意味を持つ言葉ですが、それぞれ強調しているポイントが異なります。
| 語句 | 重視するポイント | 適したシチュエーション |
|---|---|---|
| ローマは一日にして成らず | 成果の規模と必要な時間 | 壮大な目標を前に、焦りを感じるとき |
| 千里の道も一歩から | 物事の「着手」 | 最初の一歩をためらっているとき |
| 雨垂れ石を穿つ | 努力の「反復」 | 些細な努力の価値を疑いそうなとき |
| 石の上にも三年 | 苦難への「忍耐」 | つらく苦しい時期を耐え忍ぶとき |
対義語
反対に、短い時間や苦労の無いまま物事を得ることを表す言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
英語では、以下の定型句や表現が使われます。
Rome was not built in a day
日本語訳の元となった英語のことわざであり、最も標準的な表現です。
Don’t expect immediate results. Rome was not built in a day.
(すぐに結果が出ると思うな。ローマは一日にして成らず、だ。)
Great things take time
「偉大なことには時間がかかる」という意味で、日常的によく使われる表現です。
Take your time. Great things take time.
(時間をかけなさい。偉大なことは時間がかかるものだ。)
ローマの領土、最大は伝説の建国から約870年後
ローマの建国は、伝説では紀元前753年とされます。
小さな都市国家から出発し、王政から共和政、皇帝が治める帝政へと政治の形を変えながら、少しずつ支配を広げました。
領土が最も大きくなったのは、トラヤヌス帝の時代の117年です。
西は今のイギリス、東は今のイラクにあたるメソポタミアまでが、ローマの支配の下にありました。
ことわざの「一日」に対して、実際には伝説の建国から約870年かかったことになります。
















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