愚公山を移す

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故事成語
愚公山を移す
(ぐこうやまをうつす)
異形:愚公移山

9文字の言葉く・ぐ」から始まる言葉

どれほど巨大な困難を前にしても、諦めず地道に努力を積み重ねれば必ず成し遂げられるという不屈の姿勢。
このような意志と継続の力を表すのが、
「愚公山を移す」(ぐこうやまをうつす)です。

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意味

「愚公山を移す」は、根気よく努力を続ければ、どんなに困難な事業でも必ず成し遂げられるという意味です。巨大な山を動かすような途方もない目標に対し、不屈の意志で挑む姿勢をたとえています。

語源・由来

中国の戦国時代の思想書『列子』湯問篇の寓話に由来します。
北山に住む90歳近い老人である愚公が、交通の妨げになる巨大な二つの山を崩し始めました。
嘲笑する周囲に対し、愚公は「自分が死んでも子孫が代々作業を続ければ必ず平らになる」と反論します。
その不屈の意志に心を打たれた天帝(天の神様)が、山を別の場所へ移したという故事から生まれました。

使い方・例文

「愚公山を移す」は、壮大で困難な目標に向かって、地道な努力を続けている人を称賛し、励ます場面で使われます。

  • 一人で始めた緑化活動が国を動かした。まさに愚公山を移すだ。
  • この膨大な資料整理は愚公山を移す作業だが、必ず後世に役立つ。
  • 無謀と笑われた彼の研究が実を結んだ。愚公山を移す精神の勝利だ。

類義語・関連語

「愚公山を移す」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ):
    微力であっても、根気よく継続すれば最終的に大きな成果を得られる道理。
  • 千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから):
    遠大な事業や計画であっても、まずは手近な第一歩の行動から始まること。
  • 塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる):
    ごくわずかなものでも、絶えず積み重なっていくといずれは巨大になる様子。

対義語

「愚公山を移す」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 三日坊主(みっかぼうず):
    飽きっぽく長続きしない性質のため、物事をすぐに投げ出してしまうこと。
  • 焼け石に水(やけいしにみず):
    努力や援助の規模が小さすぎて、事態の解決に全く役に立たない状態。

英語表現

Faith will move mountains.

意味:強い信念があれば不可能と思われるようなことも成し遂げられること。

  • 例文:
    Don’t give up. They say faith will move mountains.
    諦めるな。信念は山をも動かすと言われている。

Little strokes fell great oaks.

直訳:小さな斧の一撃も積もれば大きな樫の木を倒す。
意味:小さな努力の積み重ねがやがて大きな成果につながるということ。

  • 例文:
    Keep studying every day; little strokes fell great oaks.
    毎日勉強を続けなさい。継続は力なりです。

毛沢東が「愚公移山」を演説に引いた理由

1945年6月、中国共産党第七回全国代表大会の閉幕式で、毛沢東は「愚公移山」と題した演説を行いました。二つの山に見立てたのは帝国主義と封建主義。天帝は「中国人民そのもの」だと読み替え、「人民が団結すれば巨大な障壁も取り除ける」という主張の根拠として故事を引用しました。

この演説はのちに「老三篇(ろうさんぺん)」の一つに選ばれ、党員・軍人から一般市民まで繰り返し読むよう求められました。
文化大革命期には特に重視され、「愚公移山」の四字は現代の中国語教科書にも収録され続けています。

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