四字熟語

円転滑脱

(えんてんかつだつ)

言葉や行動が角立たず、物事をそつなくスムーズに処理すること。また、物事にこだわらないこと。


8文字の言葉 / 「え」から始まる言葉
円転滑脱 ことば
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意味

「円転滑脱(えんてんかつだつ)」とは、人との関わりや物事の進め方に角がなく、なめらかに立ち回れるという意味です。
また、物事にこだわらないという意味でも使われます。
次の二つの語を組み合わせた言葉です。

  • 円転(えんてん):丸い玉が転がるように、角がなく滑らかに動くこと。
  • 滑脱(かつだつ):何かに引っかかることなく、すらすらと通り抜けること。

つまり、人づきあいや仕事で角を立てず、滞ることもなく、その場に合わせて物事を運ぶのがうまいことを言います。

基本的には「あの人は円転滑脱だ」のように、相手の手腕や人柄をほめる言葉として使われます。
ただ、文脈によっては「調子が良すぎる」「八方美人」という皮肉を込めて使われることもあるので、どちらの意味かは前後の文から見分けます。

語源・由来

「円転滑脱」の「円」は角がなく円満なこと、「転」は動きが止まらないことを指します。
そこに、なめらかな「滑」と、ひっかからずに抜ける「脱」が加わり、何事にもとらわれず自由自在に対応できる様子を表します。

「円転滑脱」は、明治時代の文学作品などに、人づきあいのうまさや話しぶりの巧みさを言う言葉として出てきます。

使い方・例文

「円転滑脱」は、主に人の腕前やふるまいについて使います。
特に、司会や交渉、接客、チームのまとめ役など、人との受け答えのうまさや臨機応変さが要る場面でよく使われます。

  • 彼の円転滑脱な司会のおかげで会議の空気が和らぎ、議論が活発になった。
  • 難しいクレームでも彼女は円転滑脱に対応し、最後には客を笑顔にする。
  • リーダーには信念だけでなく、意見を調整する円転滑脱な手腕も要る。

類義語・関連語

「円転滑脱」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 融通無碍(ゆうずうむげ):
    考え方や行動が何ものにもとらわれず、どのような事態にも自由に対応できること。「円転滑脱」と非常に近い意味ですが、より「心のあり方(執着のなさ)」に焦点が当たることがあります。
  • 縦横無尽(じゅうおうむじん):
    どの方向にも制限なく、自由自在に振る舞うこと。勢いよく動き回る様子を指してよく使われます。
  • 当意即妙(とういそくみょう):
    その場の状況に合わせて、即座に機転を利かせた対応をすること。
  • 行雲流水(こううんりゅうすい):
    空行く雲や流れる水のように、物事に執着せず自然の成り行きに任せること。
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対義語

「円転滑脱」とは反対に、融通がきかず堅苦しい様子を表す言葉があります。

  • 四角四面(しかくしめん):
    極めて真面目で堅苦しく、面白みがないこと。角張っていて円滑でない様子。
  • 杓子定規(しゃくしじょうぎ):
    一つの基準にこだわりすぎて、応用や融通がきかないこと。曲がった柄の杓子(しゃくし)を定規の代わりにはできないことから。

英語表現

「円転滑脱」を英語で表現する場合、状況に応じて、次のような語を使い分けます。

tactful

「機転の利く」「角を立てない」「そつのない」という意味の語で、相手の感情を害さないように配慮し巧みに物事を進める様子を表す。
人間関係における「円転滑脱」に最も近い表現。

He is very tactful in dealing with complaints.
(彼はクレーム対応において、非常に円転滑脱だ(そつがない)。)

smooth

「滑らかな」「円滑な」「口のうまい」という意味の語で、物事が問題なく進む様子や人の態度が洗練されていて角がない様子を表す。

He has a smooth way of talking.
(彼は円転滑脱な話し方をする。)

谷崎潤一郎の『幇間』は円転滑脱を「宛転滑脱」と書いた

谷崎潤一郎の小説『幇間ほうかん』には、隅田川を上る花見船の上で、ろくろ首に扮した男が道化踊りをする場面があります。
船が向島にかかったところは、次のように書かれています。

ろくろ首の踊りはます/\宛転滑脱となり、風船玉は川風に煽られつゝ、忽ち蒸汽船の白煙りを潜り抜け、忽ち高く舞い上って待乳山を眼下に見、見物人に媚ぶるが如き痴態を作って、河上の人気を一身に集めて居ます。
(谷崎潤一郎『幇間』)

ここでは「円転」ではなく、同じく「えんてん」と読む「宛転」の字が使われています。
川風に煽られながら、ひっかかりなく自在に動き回るろくろ首の踊りを言い表した使い方です。

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