元の鞘に収まる

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慣用句
元の鞘に収まる
(もとのさやにおさまる)
短縮形:元サヤ
異形:元の鞘へ収まる

10文字の言葉」から始まる言葉

大喧嘩をして「もう絶対に口をきかない」と宣言した二人が、数日後には何事もなかったかのように仲良く話している。
そんな、一度は離れたりこじれたりした関係が、結局は以前の状態に戻る様子を「元の鞘に収まる」(もとのさやにおさまる)と言います。

意味

「元の鞘に収まる」とは、一時的に仲違いや絶縁をしていた者同士が、再び以前のような親しい関係に戻ることです。

主に、喧嘩別れをした恋人や、離婚・別居した夫婦が復縁する場合によく使われます。
また、一度退職した職場に復帰するなど、人間関係以外でも「以前の居場所に戻る」という意味で用いられることがあります。

語源・由来

KATANA

「元の鞘に収まる」の由来は、日本刀とその入れ物である「鞘(さや)」の関係にあります。

日本刀の刀身には独特の「反り(カーブ)」があり、これは一本一本微妙に異なります。
そのため、ある刀を別の刀の鞘に入れようとしても、反りの具合や厚みが合わず、うまくいきません。
結局、その刀はあつらえられた「元の鞘」にしか、ぴったりと収まらないのです。

このことから、一時的に外へ出たり(離縁したり)、別の場所へ行こうとしたりしても、最終的には自分に一番合った「本来の場所(相手)」に戻ってくる様子を例えるようになりました。

使い方・例文

「元の鞘に収まる」は、男女の仲が復活する場面で最も多く使われますが、友人関係やビジネスシーンでの復帰を表すこともあります。

基本的には「結局そこが一番合っていた」「落ち着くべきところに落ち着いた」という、安堵や必然性のニュアンスを含んで使われます。

例文

  • あんなに派手に喧嘩していた二人だが、結局は「元の鞘に収まる」ことになったようだ。
  • 一度は実家を出て一人暮らしを始めたが、寂しさに耐えかねて「元の鞘に収まる」ように家に戻ってきた。
  • 他の会社に転職してみたものの、社風が合わず、結局以前の職場に「元の鞘に収まる」ことになった。

類義語・関連語

「元の鞘に収まる」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 縒りを戻す(よりをもどす):
    別れた男女が、再び元の関係に戻ること。「縒り」とは糸をねじり合わせることで、一度ほつれた糸を再びねじり合わせるという意味。
  • 焼け木杭に火が付く(やけぼっくいにひがつく):
    一度関係のあった男女が、再会などをきっかけに再び恋仲になること。
    「元の鞘」よりも、情熱が再燃するニュアンスが強い言葉。
  • 雨降って地固まる(あめふってじかたまる):
    揉めごとの後は、かえって前よりも良い状態になり、関係が安定すること。

混同しやすい言葉との違い

  • 元の鞘に収まる
    単に「関係が戻る」という事実や結果に焦点を当てた言葉です。
  • 雨降って地固まる
    トラブルのおかげで「以前より絆が深まる」というポジティブな変化を強調します。

対義語

「元の鞘に収まる」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず):
    一度離婚した夫婦の仲は、二度と元には戻らないことのたとえ。また、一度してしまった失敗は取り返しがつかないこと。
  • 破鏡(はきょう):
    夫婦の別れや離婚のこと。鏡が割れて二度と戻らない様子から。

英語表現

「元の鞘に収まる」を英語で表現する場合、復縁や和解を意味するフレーズが使われます。

get back together

  • 意味:「よりを戻す」「復縁する」
  • 解説:別れたカップルが再び付き合うことになる状況で最も一般的に使われる表現です。
  • 例文:
    I heard that they got back together.
    (彼らは元の鞘に収まったらしいよ。)

reconcile

  • 意味:「和解する」「仲直りする」
  • 解説:喧嘩や対立していた関係が修復されることを指す、やや硬い表現です。
  • 例文:
    They finally reconciled after a long separation.
    (長い別居期間を経て、彼らはついに元の鞘に収まった。)

刀にまつわるエピソード

「元の鞘に収まる」と同じく、刀と鞘の関係から生まれた言葉に「反(そ)りが合わない」があります。

これは、刀身のカーブ(反り)と鞘の形が合わないと、スムーズに出し入れできないことから、「気心が合わない」「相性が悪い」という意味で使われるようになりました。

つまり、「反りが合う」相手だからこそ、一度離れても「元の鞘に収まる」ことができると言えるでしょう。
日本刀の繊細な作りが、人間の微妙な相性や関係性をうまく言い表している興味深い例です。

まとめ

人間関係、特に男女の仲においては、理屈だけでは割り切れない引力のようなものがあります。
一度は離れる選択をしたとしても、結局は相手の存在の大きさに気づき、戻るべき場所へ戻っていく。
「元の鞘に収まる」とは、そんな人と人との縁の深さや、居心地の良さを再確認する場面で使われる言葉です。

新しい環境や関係を求めることも大切ですが、古くからの馴染んだ関係が、実は自分にとって一番の「安らげる鞘」だったと気づくこともあることでしょう。

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