意味
「冷や飯を食う(ひやめしをくう)」とは、冷遇されることや、他人よりも粗末な扱いを受けることです。
本来受けられるはずの利益や権利を与えられず、組織や集団の隅に追いやられる状況を指します。
単に「冷たいご飯を食べる」という物理的な食事のことではなく、立場や待遇の悪さを表す慣用句です。
語源・由来
「冷や飯」は、炊いてから時間がたって冷めたご飯のことです。
「冷や飯を食う」は、文字どおり冷めたご飯を食べるという意味のほかに、冷遇される、居候をするという意味で使われてきました。
使い方・例文
「冷や飯を食う」は、現代では主に「会社や組織での立場」や「人間関係における疎外感」を表す際によく使われます。
自分の能力を発揮する場を与えられなかったり、主流派から外されて閑職に追いやられたりした際の、悔しさや無念さを伴って使われることが多い言葉です。
例文
- 長年会社に尽くしたが、派閥争いに敗れてからは冷や飯を食う日々だ。
- 弟ばかりが親に可愛がられ、兄の自分はずっと冷や飯を食うような思いをしてきた。
- どんなに冷や飯を食う時期が長くとも、彼は腐ることなく地道な努力を続けた。
類義語・関連語
「冷や飯を食う」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 継子扱い(ままこあつかい):
実子と継子で扱いが違うように、特定の人だけを差別して冷遇すること。 - 日陰の身(ひかげのみ):
世間から認められず、隠れるようにして暮らす境遇。または、不遇な立場。 - 窓際族(まどぎわぞく):
職場において閑職に追いやられ、仕事を与えられない社員のこと。 - 干される(ほされる):
仕事や役割を与えられなくなること。特に芸能界や特定の業界で使われる表現。 - 不遇をかこつ(ふぐうをかこつ):
不遇な身の上であることを嘆くこと。「冷や飯を食う」状況に対して不満を言う動作を指す。
対義語
「冷や飯を食う」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 優遇(ゆうぐう):
手厚くもてなすこと。優先的に良い扱いをすること。 - 厚遇(こうぐう):
手厚くもてなすこと。地位や給与などで十分な待遇を与えること。 - 重用(ちょうよう):
その人を重んじて、重要な役に用いること。
英語表現
「冷や飯を食う」を英語で表現する場合、状況に応じていくつかのフレーズが考えられます。
be left out in the cold
直訳は「寒い外に放置される」で、仲間外れにされる、無視される、冷遇されるという意味を表す表現。
家の中(暖かい場所=主流派)に入れてもらえず、外に締め出されるイメージから、機会や情報を与えられない状況を表す。
He has been left out in the cold since the new manager arrived.
(新しいマネージャーが来てから、彼は冷や飯を食わされている。)
get the cold shoulder
直訳は「冷たい肩を受ける」で、冷たくあしらわれる、よそよそしい態度を取られるという意味を表す表現。
訪問客に冷たい羊の肩肉を出して「早く帰れ」と暗に示したことから来たという話は、裏付けのない俗説。
記録に残る最初の用例は、1816年のウォルター・スコットの小説。
I tried to talk to her, but I just got the cold shoulder.
(彼女に話しかけようとしたが、冷たくあしらわれた。)
冷や飯を食う立場の次男以下は「冷や飯食い」と呼ばれた
長男が家督を継ぐものとされていた時代には、次男以下の男子を「冷や飯食い」と呼ぶ俗称がありました。
「冷や飯食い」は、他人の家に寄食する居候や、冷遇されている人を指す言葉でもあります。
家の財産や祭祀を受け継ぐ長男が優遇される一方で、次男・三男はいずれ家を出ていくか、分家として独立しなければならない立場に置かれることが少なくありませんでした。











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