一家の計は身にあり

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ことわざ 故事成語
一家の計は身にあり
(いっかのけいはみにあり)

11文字の言葉」から始まる言葉

家族が仲良く、穏やかに暮らしていくことは誰もが願うことですが、時に些細な言い争いが絶えなかったり、生活の乱れから家の中がぎくしゃくしてしまったりすることもあります。
家庭の調和は、誰か一人の努力に頼るものではなく、自分自身の行いや健康を整えることから始まる。
そんな身近で大切な教訓を伝えてくれるのが、
「一家の計は身にあり」(いっかのけいはみにあり)という言葉です。

意味・教訓

「一家の計は身にあり」とは、家族が幸せに暮らし、家が繁栄していくための計画は、自分自身の身を修める(品行を正し、健康を保つ)ことから始まるという意味です。
また、家庭の良し悪しは、そこに住む個人のあり方にかかっているという教訓を指します。

家族に対して「こうしてほしい」と求める前に、まずは自分自身が規則正しい生活を送り、誠実な態度を示すことが、結果として円満な家庭を築く一番の近道であると説いています。

語源・由来

「一家の計は身にあり」の由来は、中国の明時代の文人、馮應京(ふうおうきょう)が著した『月令広義(げつれいこうぎ)』に記された「四計」の一節に基づいています。

この書物の中では、人生の節目における重要な計画として、一日の計(朝)、一年の計(春)、一生の計(勤)に続き、「一家の計は身にあり」と記されました。
ここで言う「身」とは、単なる肉体的な健康だけでなく、道徳心を持って自分を律する「修身(しゅうしん)」の考え方が含まれています。

日本では、戦国時代の武将・毛利元就(もうりもとなり)が子孫に遺した教訓の中でもこの考え方が重視されました。
一族が結束して生き残るためには、一人ひとりが身の処し方を心得ていなければならないという切実な背景とともに広まり、時代を経て一般家庭の教訓としても定着しました。

使い方・例文

「一家の計は身にあり」は、家庭内での自分の振る舞いを省みる際や、親が子供に規律の大切さを教える場面などで使われます。

家の中の空気を作っているのは、他ならぬ自分自身の普段の態度であるという、自省の念を込めた文脈で多く用いられます。

例文

  • 部屋の乱れは心の乱れ。「一家の計は身にあり」と考え、まずは自分の身の回りから整えることにした。
  • 子供に挨拶を強要する前に、父親である私が「一家の計は身にあり」を実践して、明るく声をかけよう。
  • 家計を支えるには健康が第一だ。「一家の計は身にあり」と言うし、今夜から夜更かしは控えよう。
  • 「一家の計は身にあり」の精神で、まずは自分自身の生活習慣を見直し、家族が良い影響を受けられるように努める。

類義語・関連語

「一家の計は身にあり」と似た意味を持つ言葉には、自分を整えることの重要性を説くものが多くあります。

  • 修身斉家(しゅうしんせいか):
    まず自分の行いを正しくし、その次に家庭を整えるということ。
  • 隗より始めよ(かいよりはじめよ):
    遠大な計画も、まずは身近なところから着手すべきであるということ。
  • 身を修める(みをおさめる):
    自分の言動を正しくし、人格を高めるよう努力すること。

対義語

「一家の計は身にあり」とは対照的な意味を持つ言葉は、自分の不始末が周囲に悪影響を及ぼす様子を指すものが中心です。

  • 身から出た錆(みからでたさび):
    自分の犯した過ちや不摂生のせいで、自分自身が苦しむことになること。
  • 自堕落(じだらく):
    節制がなく、だらしのない生活を送ることで、周囲や家庭を混乱させること。

英語表現

「一家の計は身にあり」を英語で表現する場合、個人の規律や家庭の出発点に触れるフレーズが適しています。

Charity begins at home.

  • 意味:「慈愛はまず家庭から始まる」
  • 解説:他人を助ける前に、まずは身近な家族や自分自身を大切にすべきだという諺です。
  • 例文:
    We should take care of each other first. Charity begins at home.
    (お互いをまず大切にしよう。慈愛は家庭から始まるものだから。)

Set your house in order.

  • 意味:「自分の家を整えなさい」
  • 解説:他人に口出しする前に、まず自分の身の回りや行いを正すべきだという意味で使われます。
  • 例文:
    Before criticizing others, you should set your house in order.
    (他人の批判をする前に、まずは自分の身を修めるべきだ。)

幸せの波紋を広げる「四計」の教え

ちなみに、ここまでご紹介してきた一日の計(朝)、一年の計(元旦)、一生の計(立志)、そして「一家の計は身にあり」。
これら四つの計は、どれも「始まり」と「自分自身」にフォーカスしています。

私たちはつい、うまくいかない原因を自分以外の誰かや、環境のせいにしたくなるものです。
しかし、この四計の最後を締めくくる「一家の計は身にあり」という教えは、幸せの出発点は常に自分の中にあることを優しく諭してくれます。
自分が整えば家庭が整い、家庭が整えば社会も良くなっていく。
この言葉は、小さな個人の一歩が大きな幸せの波紋を生んでいくことを教えてくれているのかもしれません。

まとめ

自分自身の身を修め、品行を正して健康に暮らす。
「一家の計は身にあり」という言葉は、家族という最も身近な集団を幸せにするための、最も基本的で究極の方法を伝えています。

他人の態度を変えることは難しくても、自分の行いを変えることは今すぐにでも可能です。
大切な家族の笑顔のために、まずは自分から。
その誠実な姿勢こそが、揺るぎない家庭の幸福を築く土台となることでしょう。

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