意味
「一薫一蕕(いっくんいちゆう)」とは、よいことはすぐに消え、悪いことはいつまでも残ることのたとえです。
また、善人の勢力が衰え、悪人が栄えることのたとえとしても使われます。
- 一薫(いっくん):一本の香草。
- 一蕕(いちゆう):一本の臭い草(カリガネソウ)。
一本の香草と一本の臭い草を一緒に置いておくと、よい香りはすぐに消え、悪臭だけが十年たっても残るという比喩から成り立っています。
語源・由来
「一薫一蕕」の語源は、中国の歴史書『春秋左氏伝』(しゅんじゅうさしでん)に記された言葉にあります。
「一薫一蕕、十年尚猶臭あり(いっくんいちゆう、じゅうねんなおしゅうあり)」という一節がその起源です。
これは、「一本の香草と一本の臭い草を一緒にしておくと、十年経ってもなお臭い草の悪臭が残ってしまう」、つまり良い影響はすぐに消えてしまう一方で、悪い影響はいつまでも残ってしまうという内容を伝えています。
この記述から、良い影響を及ぼすには多大な時間と労力がかかる一方で、悪い影響はわずかなきっかけで全体を支配してしまうという教訓として語り継がれるようになりました。
使い方・例文
「一薫一蕕」は、善い行いはすぐに忘れられるのに、悪い評判や過去の過ちがいつまでもついて回る状況や、善人が退けられて悪人がはびこる状況で使われます。
例文
- 十年続けた地域への貢献より一度の不祥事ばかりが語られるのは、まさに一薫一蕕だ。
- 更生を誓う彼にも過去の犯罪歴が一薫一蕕としてつきまとい、再就職に苦労する。
- 正直者が去り、口のうまい者ばかりが出世していく一薫一蕕の職場に、彼は見切りをつけた。
一薫一蕕の悪臭の草はカリガネソウ

「一薫一蕕」に登場する「蕕(ゆう)」という植物は、現代の日本では「カリガネソウ」と呼ばれています。
夏から秋にかけて非常に美しい青紫色の花を咲かせますが、その優雅な見た目とは裏腹に、葉や茎には強い独特の臭気があるのが特徴です。











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