意味
「絶体絶命(ぜったいぜつめい)」とは、もはや逃れるすべのない、きわめて危険で切羽詰まった状況のことです。
進むことも退くこともできず、命に関わるような窮地に追い込まれた状態を表します。
- 絶体(ぜったい):九星占いでいう凶星の名。
- 絶命(ぜつめい):「絶体」と同じく、九星占いでいう凶星の名。
語源・由来
九星術という古くからの占いに由来します。
「絶体」と「絶命」はどちらも九星術における凶星の名前で、この星が巡ってくると運がきわまり破滅を招くとされていました。
二つの凶星の名を重ねて、逃れようのない窮地を表す言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
極めて深刻な事態や、失敗が許されない後がない状況で使われます。
- 敵の大軍に完全に包囲され、絶体絶命の窮地に立たされた。
- 試合終了間際にペナルティキックを与えられ、絶体絶命だ。
- 会社の資金が底をつき、絶体絶命のピンチを迎えている。
誤用・注意点
「絶体絶命」は「絶対絶命」と誤表記されることが非常に多い言葉です。
「絶対」という身近な言葉の影響で混同されやすいですが、「絶体」は九星占いの凶星の名で、「絶対」とはまったく別の言葉です。
書く際は注意が必要です。
類義語・関連語
「絶体絶命」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 危機一髪(ききいっぱつ):
髪の毛一本ほどのわずかな差で、極めて危険な状態に陥りそうな瀬戸際。 - 風前の灯火(ふうぜんのともしび):
風の前に置かれた灯火のように、今にも滅びそうな危険な状態。 - 万事休す(ばんじきゅうす):
もはや施すすべがなく、どうにもならない状態。 - 四面楚歌(しめんそか):
周囲がすべて敵や反対者で、孤立して助けがないこと。
対義語
「絶体絶命」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 平穏無事(へいおんぶじ):
何事もなく、穏やかで安らかな状態が続いていること。 - 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):
追い風を受けて船が進むように、物事がすべて順調にいくこと。 - 安泰(あんたい):
無事で変わりなく、穏やかなこと。
英語表現
「絶体絶命」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが適しています。
backed into a corner
「隅に追い詰められて」という意味。
直訳の通り、逃げ場のない窮地に立たされている状態を表す言い回し。
I was completely backed into a corner.
(私は完全に絶体絶命だった。)
漱石は『野分』で、愛は「絶体絶命」の時に姿を隠すと書いた
夏目漱石の小説『野分』(1907年)には、若い男女が語り合う場面の地の文に、次の一節があります。
二人の世界は愛の世界である。
愛はもっとも真面目なる遊戯である。
遊戯なるが故に絶体絶命の時には必ず姿を隠す。
(『野分』1907年)
愛は遊びでもあるので、逃げ場のない窮地に立たされた時には消えてしまう、という意味で「絶体絶命」が使われています。















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