ことわざ 故事成語

万事休す

(ばんじきゅうす)

あらゆる手段が尽き、どうすることもできない状態。全てが終わってしまったという状況。


7文字の言葉 / 「は・ば・ぱ」から始まる言葉
万事休す ことば
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意味

「万事休す(ばんじきゅうす)」とは、あらゆる手立てが尽き果て、もはやどうする術もないという意味です。

努力や工夫もむなしく、「もうこれまでだ」と諦めざるを得ないような、絶望的で手の打ちようがない状況を表します。
最後の望みが断たれた瞬間に使われることが多い表現です。

語源・由来

「万事休す」は、中国の歴史書『宋史』の荊南高氏世家に見える言葉です。
この言い回しは、唐の時代の初めごろから中国の詩にもよく使われていました。
漢文の「万事ばんじ、休きゅうす」を読み下した形が、そのまま日本語に入りました。

「万事」は「すべてのこと」、「休す」は「終わる、停止する」という意味です。
文字通り「すべてのことが終わってしまった」という意味から、現在の「打つ手がない絶望的な状況」として定着したと考えられます。

使い方・例文

日常生活の些細なことから、仕事上の重大な局面まで、「もうだめだ」と感じる状況で使われます。
計画の頓挫や、最後の頼みの綱が切れた時などが典型例です。

例文

  • 「楽しみにしていたキャンプ当日、まさかの大雨と強風で万事休す。中止にするしかなかった。」
  • 「プレゼン資料の入ったUSBメモリを紛失してしまった。バックアップもなく、まさに万事休すだ。」
  • 「試合終了間際に決定的なエラーをしてしまい、逆転の望みは絶たれた。これで万事休すか。」

類義語・関連語

  • 絶体絶命(ぜったいぜつめい):
    体も命も追い詰められた、逃れようのない非常に困難で危険な状況。
  • 一巻の終わり(いっかんのおわり):
    物事の結末、特に悪い結果に終わること。おしまい。
  • 刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる):
    戦う手段がなくなり、目的を続ける方法や気力が尽きること。
  • 手の打ちようがない(てのうちようがない):
    問題を解決するための方法が全く見当たらないこと。
  • 進退窮まる(しんたいきわまる):
    進むことも退くこともできず、どうしようもない苦しい立場。
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対義語

  • 起死回生(きしかいせい):
    絶望的な状況から、一気に形勢を立て直すこと。
  • 九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる):
    ほとんど助かる見込みのない危険な状態から、かろうじて命拾いすること。
  • 捲土重来(けんどちょうらい):
    一度敗れた者が、再び勢いを盛り返して挑戦してくること。
    ※ 再起の可能性を示す点で「万事休す」と対照的。
  • 助け船を出す(たすけぶねをだす):
    困窮している人に援助の手を差し伸べること。
    ※ 窮地を脱する外部からの援助。

英語表現

「万事休す」の「すべてが終わった」というニュアンスは、英語では以下のように表現できます。

It’s all over

状況がすべて終わってしまったという意味。

The votes are counted, and it’s all over for the incumbent.
(開票が終わり、現職議員はもう万事休すだ。)

Game over

計画や試みが完全に失敗して終わったことのたとえ。

When the server crashed during the live demo, it was game over.
(ライブデモ中にサーバーが落ちた時点で、万事休すだった。)

We’re done for

破滅や失敗がもはや避けられない状況を指すくだけた言い方(主語を替えて I’m done for. とも言う)。

If the boss finds out about this mistake, we’re done for.
(この失敗が上司にバレたら、我々は万事休すだ。)

万事休す、『宋史』では溺愛された子のあだ名

『宋史』の荊南高氏世家には、五代十国のころ荊南を治めた高氏の話の中に、「万事休」という言葉が出てきます。

高従誨じゅうかいは十男の保勗ほうきょくを溺愛しました。
ひどく怒っていても幼い保勗の顔を見ると笑って怒りがおさまってしまうほどだったので、荊南の人々は保勗を「万事休」と呼びました。
後に保勗が四代目の主となると政治は乱れ、その死からわずか数か月で荊南は国を失いました。
『宋史』は、このあだ名がその前触れだったと記しています。

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