意味
「一巻の終わり(いっかんのおわり)」とは、物事があっけなく結末を迎えてしまうこと、あるいは失敗によってすべてが台無しになってしまうことです。
特に、命を落とすことを指しても使われます。
語源・由来
「一巻の終わり」は、一巻からなる物語が終わるという意味の言葉です。
無声映画の時代には、上映の終わりに活動弁士が口にする決まり文句でした。
そこから転じて、現実の物事があっけなく結末を迎えてしまうことや、失敗してすべてがだめになってしまうことを指すようになりました。
使い方・例文
「一巻の終わり」は、取り返しのつかない失敗をした場面や、状況が完全に絶望的になった場面で使われます。
- 隠していたテストの答案用紙が母親に見つかり、これで一巻の終わりだ。
- データ保存を忘れたままパソコンの電源が落ちてしまい、一巻の終わりだ。
- この壁を乗り越えられなければ、私たちの計画は一巻の終わりだ。
類義語・関連語
「一巻の終わり」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 万事休す(ばんじきゅうす):
もはや打つ手がなく、すべてが終わってしまった状態。 - 年貢の納め時(ねんぐのおさめどき):
悪事や隠し事がばれて、ついに諦めなければならない時。 - お陀仏(おだぶつ):
物事が完全にだめになること、または人が死ぬこと。
英語表現
That’s all she wrote
意味:もうおしまいだ。
それ以上どうにもならない状況を表すアメリカ英語の慣用句。
We missed the last train. That’s all she wrote.
(終電を逃してしまった。もう一巻の終わりだ。)
It’s curtains for ~
直訳:〜にとってのカーテンだ。
意味:〜はもうおしまいだ。
劇の最後に幕が下りる様子から派生した口語表現。
If the boss finds out, it’s curtains for us.
(もし上司にばれたら、私たちは一巻の終わりだ。)
弁士の消えた1930年代、小説に「人生一巻のお終ひさ」
人気の活動弁士だった徳川夢声は、音声付きのトーキー映画が広まると、1933年に弁士をやめて俳優に転じました。
上映の締めに「一巻の終わり」を口にする弁士の仕事は、このころ映画館から消えていきます。
その4年後の1937年(昭和12年)、ハンセン病の療養所で小説を書いた北条民雄の『望郷歌』には、「人生一巻のお終ひさ」(人生もこれでおしまいさ)という一節があります。
弁士の決まり文句だった「一巻の終わり」は、そのころにはもう映画館を離れ、望みの絶えた人生の結末を言うのにも使われていました。









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