意味
「起死回生(きしかいせい)」とは、死にかかっている人を生き返らせるという意味です。
転じて、ほとんど望みがない滅びかけた状態や絶望的な状況から、一気に勢いを盛り返して見事に立ち直ることを指します。
敗北寸前からの大逆転や、破綻寸前からの見事な再建など、劇的な状況の好転を表す言葉です。
- 回生(かいせい):元気を回復させ、生き返らせる。
- 起死(きし):死にかかっている人を起き上がらせる。
語源・由来
北宋時代に編纂された類書『太平広記』巻五十九には、『女仙伝』から引かれた仙女・太玄女の話が収められており、その中の次の一節にこの語が使われています。
行三十六術甚效,起死回生,救人無數。
(三十六の術を行うとよく効き、死にかけた者を起こし生き返らせ、数えきれないほどの人を救った。)
春秋戦国時代の伝説的な名医・扁鵲が、死んだと思われていた虢の国の太子を起き上がらせた故事も、この言葉と結びつけて語られます。
ただし、この故事を記した『史記』扁鵲倉公列伝に「起死回生」の字句は出てきません。
使い方・例文
「起死回生」は、スポーツ、ビジネス、あるいは人生の窮地において、文字通り一発逆転を狙う場面や、見事に復活を遂げた際に使われます。
- 起死回生の逆転満塁ホームランを放つ。
- 新商品のヒットが起死回生の一手となった。
- 起死回生のアイデアで倒産の危機を免れる。
類義語・関連語
「起死回生」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 捲土重来(けんどちょうらい):
一度敗れた者が、再び勢力を盛り返して攻めてくること。 - 死地を脱する(しちをだっする):
死ぬような危ない場所や状況から逃れること。 - 九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる):
ほとんど助かる見込みのない状態から、かろうじて命拾いすること。
対義語
「起死回生」とは反対に、もはや打つ手がなく終わりを迎える状況を表す言葉は以下の通りです。
- 万事休す(ばんじきゅうす):
もはや施す手段がなく、万策尽きて終わりになること。
英語表現
「起死回生」を英語で表現する場合、以下のフレーズが適しています。
a miraculous comeback
奇跡的な逆転、復活という意味。
スポーツやビジネスなど、敗北寸前からの劇的な復活を指す表現。
The team made a miraculous comeback in the final minute.
(チームは終了間際に起死回生の逆転劇を見せた。)
snatch victory from the jaws of defeat
敗北の淵から勝利をもぎ取るという意味。
「負けが決まったような状況から勝利を奪い取る」という、非常に躍動感のある慣用句。
They managed to snatch victory from the jaws of defeat.
(彼らは起死回生の勝利を手にした。)
起死回生の名医・扁鵲は「死人は生かせない」と言った
死んだと思われた人を起こした話として有名なのが、戦国時代の医者・扁鵲です。
『史記』の扁鵲倉公列伝によれば、虢の国の太子が亡くなったとされた場に居合わせ、鍼を打ち、薬を煮たもので両脇の下を温めて起き上がらせました。
世間は扁鵲が死人を生き返らせたと言いましたが、本人は次のように述べています。
越人非能生死人也,此自當生者,越人能使之起耳。
(私〔越人は扁鵲の名〕は死人を生かせるのではない。これはもともと生きるはずの者で、私はそれを起こしただけだ。)















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