イソップ童話「欲ばりな犬」の教訓から学ぶことわざ・四字熟語

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【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

手元に十分なものがあるのに、他人のものがもっと良く見えてしまい、無理に手に入れようとして自分のものまで失ってしまう。

そんな人間の欲深さと愚かさを描いたイソップ童話の「欲ばりな犬」です。
「肉をくわえた犬」としても知られるこの物語の普遍的なテーマは、日本のことわざや四字熟語の中にも数多く見ることができます。

物語の核心と教訓

大きな肉をくわえて橋を渡っていた犬が、水面に映った自分の姿に気づきます。
そこにはさらに大きな肉をくわえた別の犬がいるように見えました。
その肉も奪おうと吠えついた瞬間、くわえていた肉は川底へと沈み、犬はすべてを失ってしまいます。
欲張って今以上のものを得ようとすると、手の中にある大切なものまで失うという教訓です。

欲をかいて失敗することを戒める言葉

  • 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):
    二羽のウサギを同時に捕まえようとすると、結局どちらも逃がしてしまうこと。
    欲張って二つのことを同時に成し遂げようとすると、どちらも失敗するという教訓です。
  • 虻蜂取らず(あぶはちとらず):
    アブとハチの両方を捕まえようとして、結局どちらも捕まえられずに終わること。二つのものを同時に得ようとして何も得られない欲深さを戒めます。
  • 欲の熊鷹股裂ける(よくのくまたかまたさける):
    クマタカが二頭のイノシシを両足でつかんだところ、イノシシが左右に逃げようとするのを放さなかったために股が裂けて死んでしまったという昔話から。
    欲張りが身の破滅を招くという強い戒めです。
  • 花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず):
    花を楽しむこともせず、実を収穫することもない状態。
    あれこれと迷ううちに何も得られないまま時機を逃してしまうことのたとえです。

「今あるもの」に感謝する教訓

  • 足るを知る(たるをしる):
    今の状態に満足することを知っている者は心が豊かで幸福であるという老子の教え。
  • 分相応(ぶんそうおう):
    自分の身分や能力にふさわしいこと。身の丈に合った生き方を指します。
  • 明日の百より今日の五十(あすのひゃくよりきょうのごじゅう):
    不確実な明日の大きな利益よりも、少なくても確実な今日の利益のほうが大切であるという知恵です。

英語表現

Grasp all, lose all

すべてを掴もうとすれば、すべてを失うという意味で、欲張りな犬の結末をそのまま表したような表現です。

例文:
He tried to work three jobs but got fired from all of them. Grasp all, lose all.
3つの仕事を掛け持ちしようとしたが、すべてクビになった。欲張るとすべてを失うものだ。

まとめ

水面に映る幻の肉に目がくらんだ犬の姿は、他人の芝生が青く見えたり、もっと良い条件を求めて現状を台無しにしてしまう私たちの滑稽な一面でもあります。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」や「足るを知る」が示すように、手の中にあるものの確かな価値に気づくことが、本当の豊かさを失わないための手堅い道と言えるのでしょう。

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