意味
「千思万考(せんしばんこう)」とは、いろいろに思い考えるという意味です。
そうしてめぐらせた思いや考えそのものを指すこともあり、「千思万考する」の形で動詞としても使います。
語源・由来
この言葉は、「思」と「考」に数の多さを表す「千」と「万」を組み合わせて、あれこれと思いをめぐらす様子を強めた語です。
使い方・例文
- 転職すべきかどうか、一晩中千思万考したが答えは出なかった。
- 何を贈れば母が喜ぶか千思万考して、結局は手紙を書くことにした。
- 監督は試合前に千思万考して、先発の顔ぶれを大きく入れ替えた。
小説での使用例
二葉亭四迷の小説『浮雲』(1887〜1889年)の第十一回に出てきます。
主人公の文三が、叔母の意見に従って課長に取り入るべきか、そうすれば嫌いな昇とも親しくしなければならないと悩む場面です。
それも厭なりこれも厭なりで、二時間ばかりと云うものは黙坐して腕を拱んで、沈吟して嘆息して、千思万考、審念熟慮して屈托して見たが、詮ずる所は旧の木阿弥。
(どちらも嫌で、二時間ほど黙って座って腕組みをし、つぶやいてはため息をつき、あれこれと考え抜いて思い悩んでみたが、結局は元のままだった)
類義語・関連語
あれこれと、あるいは深く、考えをめぐらすことを表す語です。
- 千思万慮(せんしばんりょ):
千思万考と同じ意味の語。 - 沈思黙考(ちんしもっこう):
沈黙して、深く考えること。
「千思万考」と類義語の違い
「千思万慮」は「千思万考」と同じ意味です。
「沈思黙考」は黙って深く考えることに重点があり、「千思万考」はいろいろな方向にあれこれと考えをめぐらすことに重点があります。
| 語句 | 重点 |
|---|---|
| 千思万慮 (せんしばんりょ) | 千思万考と同じ |
| 沈思黙考 (ちんしもっこう) | 黙って深く考える |
英語表現
think long and hard
時間をかけて、よくよく考えること。
I thought long and hard before accepting the job offer.
(その仕事の話を受けるまで、千思万考した)
「千思万考」と読みが同じ「千紫万紅」
「千紫万紅」も「せんしばんこう」と読みますが、紫や紅などさまざまな色の花や、色とりどりの花が咲き乱れることを言う別の語です。
こちらは紫や紅を例に「千」「万」と重ねて、色の豊かさを強めた表現です。

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