夕食の献立を決めるとき、あるいは買い物のレジ横で新商品に手を伸ばすとき。
日常は、小さな選択の積み重ねでできています。
迷いすぎて機を逃すよりも、その場ですぐに答えを出し、前へ進む潔さは、周囲に頼もしい印象を与えるものです。
このように、間を置かずに判断を下し、物事を決定することを
「即断即決」(そくだんそっけつ)と言います。
意味
「即断即決」とは、その場ですぐに判断を下して、物事を決めることを意味します。
この言葉は、二つの熟語を組み合わせて構成されています。
- 即断(そくだん):間を置かずに、すぐさま判断すること。
- 即決(そっけつ):その場ですぐに決定すること。
どちらも「即座に」というスピード感を強調しており、迷いやためらいを一切排除した、潔い決断力を表す言葉として使われます。
語源・由来
「即断即決」の語源は、中国の故事や特定の古典といった明確な典拠に基づくものではありません。
「すぐさま判断する」という意味の「即断」と、「その場で決める」という意味の「即決」という、二つの熟語を組み合わせた言葉です。
「即(すぐさま)」という漢字を重ねることで、決断のスピード感を最大限に強調した構成になっています。
商売や勝負事の場において、一瞬の迷いが命取りになる状況から、その重要性を説くために自然と使われるようになった、比較的新しい四字熟語といえます。
なお、いろはかるたの読み札として親しまれているケースもありますが、かるたが言葉の起源ではありません。
あくまで、漢字が持つ意味を直感的に繋ぎ合わせた実用的な日本語として、近現代の社会に定着しました。
使い方・例文
「即断即決」は、個人の性格や行動力を称えるポジティブな文脈で多く用いられます。
ビジネスシーンでの決断だけでなく、家庭内の買い物や学校での役割分担など、日常のあらゆる場面で活用できる表現です。
例文
- タイムセールで欲しかった品を見つけ、迷わず「即断即決」で購入した。
- 部活動のキャプテンとして、試合中の予期せぬ事態にも即断即決で指示を出した。
- 「今日のランチはこれにしよう」と彼が即断即決してくれたおかげで、時間が有効に使えた。
- 経営者には、膨大な情報の中から本質を見抜き、「即断即決」する能力が求められる。
誤用・注意点
「即断即決」と似た言葉に「拙速」(せっそく)がありますが、これには「仕事は早いが出来が悪い」というネガティブなニュアンスが含まれる場合があります。
「即断即決」はあくまで「素早い判断と決定」という能力を指すため、状況に応じて使い分けることが必要です。
また、非常に重大な契約や一生を左右するような場面で「即断即決しました」と言うと、相手によっては「軽率だ」と受け取られるリスクもあります。
スピードが求められる場面か、熟考が求められる場面かを見極めて使うのが賢明です。
類義語・関連語
「即断即決」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 一刀両断(いっとうりょうだん):
物事を思い切ってきっぱりと処置すること。 - 電光石火(でんこうせっか):
動きや動作が非常に速いこと。
判断の速さを例える際にも使われます。 - 速戦即決(そくせんそっけつ):
戦いなどを長引かせず、速やかに決着をつけること。 - 快刀乱麻(かいとうらんま):
こじれた物事を、鮮やかに解決すること。
対義語
「即断即決」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 優柔不断(ゆうじゅうふだん):
決断力がなく、いつまでも迷っていること。 - 遅疑逡巡(ちぎしゅんじゅん):
疑い迷って、ぐずぐずすること。 - 二の足を踏む(にのあしをふむ):
ためらって、一歩を踏み出せずにいること。 - 思慮熟考(しりょじゅっこう):
物事を注意深く、十分に時間をかけて考えること。
英語表現
「即断即決」を英語で表現する場合、スピード感を伝える定型句を用います。
Snap decision
- 意味:「即座の下された決定」
- 解説:指をパチンと鳴らす(snap)ような一瞬の速さで行われる決断を指します。
- 例文:
It was a snap decision, but I don’t regret it.
(それは即断即決でしたが、後悔はしていません。)
Decide on the spot
- 意味:「その場で決める」
- 解説:検討を持ち帰らず、その場ですぐに答えを出すことを意味する一般的な表現です。
- 例文:
I had to decide on the spot which way to go.
(どちらの道へ行くか、その場で即断即決しなければならなかった。)
決断を支える直感の力
「即断即決」ができるようになりたいと思っても、失敗を恐れてつい足が止まってしまうこともあるでしょう。
ちなみに、心理学の世界には「直感の8割は正しい」という考え方があります。
将棋のプロ棋士なども、膨大な選択肢の中から瞬時に最善手を選ぶ際、長年の経験に裏打ちされた直感(即断)を非常に重視すると言われています。
もちろん、すべての物事を急いで決めることが正しいとは限りませんが、日常の小さな選択を「即断即決」していくことは、脳の決断疲れを防ぐことにもつながります。
迷う時間を減らすことで、本当に大切なことに注力できる余裕が生まれるのかもしれません。
まとめ
物事のスピードが加速する現代において、瞬時に判断し決める力は、人生を切り拓くための強力な武器となります。
自らの価値観に照らし合わせ、潔く答えを出す「即断即決」の姿勢は、周囲に安心感を与え、停滞した状況を動かす一石となることでしょう。
慎重さと素早さのバランスを保ちながら、ここぞという好機を確実に掴み取っていきたいものです。
そうすることで、毎日の選択がより納得感のあるものに変わっていくことでしょう。





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