意味
「自問自答(じもんじとう)」とは、自分の心に向けて問いを投げかけ、自分自身でその答えを見つけ出していく営みを意味する四字熟語です。
- 自問(じもん):自分で自分に問いかけること。
- 自答(じとう):自分でその問いに答えること。
すぐに他人に意見を求めたり、直感だけで動いたりするのではなく、心の中で「なぜ?」「本当にこれでいいのか?」と疑問を投げかけ、深く考えを巡らせる内面的なプロセスを指します。
語源・由来
「自問自答」に中国の古典などの特定の歴史的な出典や物語(故事成語)はなく、「自ら問う」と「自ら答える」という二つの言葉を直接的に組み合わせた、非常にシンプルで分かりやすい構成の四字熟語です。
使い方・例文
「自問自答」は、決断を迫られている時や、自分の行動を深く反省している時など、内面で活発な思考や葛藤が行われている場面で使われます。
- 「これで本当に後悔しないか」と、帰りの電車の中で何度も自問自答した。
- 進路について自問自答を繰り返した結果、やはり海外の大学で学ぶ決心をした。
- 企画の対象は誰か、共有する前にまず一人で自問自答して考えを深める。
類義語・関連語
「自問自答」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 内省(ないせい):
自分自身の心のはたらきや状態、過去の言動を深くかえりみること。 - 熟考(じゅっこう):
物事について、時間をかけて十分に深く考え抜くこと。 - 思案(しあん):
あれこれと考えをめぐらすこと。解決策や良い方法を見つけようとするプロセス。
英語表現
ask oneself
意味:自分自身に問いかける、自問する。
日常会話で最も自然に使われる表現です。
I asked myself what I really wanted to do.
(自分が本当にやりたいことは何なのか、私は自問自答した。)
soul-searching
意味:魂の探求、深い自己反省。
人生の岐路などにおける、より深刻で本質的な自問自答のニュアンスを持ちます。
After a lot of soul-searching, he decided to change his career.
(多くの自問自答の末、彼は転職を決意した。)
太宰治は、しらふの席の自問自答を「堂々めぐり」と書いた
太宰治の『酒ぎらい』(1940年)では、語り手が、酒を呑まずに友人とまじめに話していると三十分ほどで疲れ果て、生返事をしながらまるで違うことばかり考えてしまうと打ち明けています。
そのあとに、次の一文が続きます。
心中、絶えず愚かな、堂々めぐりの自問自答を繰りかえしているばかりで、私は、まるで阿呆である。
(『酒ぎらい』1940年)
ここでの自問自答は、答えを出して決断へ進むものではなく、同じ問いの周りを回り続けるだけのものとして書かれています。
語り手は、酒を呑めば気持ちをごまかせて内心で反省しなくなるので助かると続け、酔いがさめたあとの後悔のひどさも書いています。








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