「心(こころ)」は、古くから人間の感情、思考、意志、精神のありかとして、日本語の表現において中心的な役割を担ってきました。喜び、悲しみ、決意、優しさ、不安など、あらゆる内面的な働きが「心」に関連づけて語られます。
また、「心臓(しんぞう)」は、物理的な臓器であると同時に、「心臓が止まる」のように、極度の驚きや恐怖を表す際にも用いられます。
「心が折れる」「心を鬼にする」「一心不乱」など、現代でも日常的に使われる表現が豊富で、心にまつわる言葉は人間の内面世界を巧みに表現しています。
ここでは、「心」や「心臓」に関連する、主なことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語を紹介します。
もくじ
「心・心臓」に関することわざ
- 目は心の鏡(めはこころのかがみ):
目はその人の心の状態を正直に映し出すものであるというたとえ。 - 心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし):
心を無にすれば、どんな苦難も苦とは感じなくなるというたとえ。 - 心ここに在らざれば(こころここにあらざれば):
心がうわの空では、見ても見えず、聞いても聞こえないということ。 - 初心忘るべからず(しょしんわするべからず):
(世阿弥の言葉)物事を始めた頃の謙虚で真剣な気持ちを忘れてはならないという戒め。
「心・心臓」に関する慣用句
感情の動き
- 心が痛む(こころがいたむ):
他人の不幸や自分の過ちに対して、良心がとがめたり、気の毒に思ったりすること。 - 心を痛める(こころをいためる):
物事を深く心配すること。 - 心が躍る(こころがおどる):
喜びや期待で、わくわくすること。 - 心が弾む(こころがはずむ):
うれしさや期待で、楽しい気分になること。 - 心が折れる(こころがおれる):
困難やショックなことで、立ち向かう気力や精神力を失うこと。 - 心が動く(こころがうごく):
関心や欲求が起こること。 - 心惹かれる(こころひかれる):
魅力を感じて、関心が向くこと。 - 心変わり(こころがわり):
気持ちが変わること。特に愛情が他へ移ること。 - 心に火がつく(こころにひがつく):
情熱や意欲が燃え上がること。
性格・態度
- 心が広い(こころがひろい):
度量が大きく、他人を受け入れる思いやりの気持ちが深いこと。 - 心が狭い(こころがせまい):
度量が小さく、他人の言動を受け入れられないこと。
心理状態
- 心苦しい(こころぐるしい):
相手に迷惑をかけるなどして、申し訳なく思うさま。 - 心強い(こころづよい):
頼りになるものがあり、安心であること。 - 心細い(こころぼそい):
頼るものがなく、不安であること。 - 心残り(こころのこり):
未練があり、あきらめきれないこと。 - 心当たり(こころあたり):
該当するものとして思い当たること。
人間関係・信頼
- 心が通う(こころがかよう):
お互いの気持ちや考えが、言葉を介さなくても理解し合えること。 - 心を許す(こころをゆるす):
相手を信頼し、警戒心や遠慮をなくすこと。 - 心を開く(こころをひらく):
本心を打ち明けること。心の内を明かすこと。 - 心を閉ざす(こころをとざす):
心の内を明かさないこと。他者を拒絶すること。
決意・態度変化
- 心を入れ替える(こころをいれかえる):
それまでの良くない考えや態度を改め、別人のように真面目になること。 - 心を鬼にする(こころをおににする):
相手のためを思い、あえて厳しく、非情な態度をとること。
配慮・関心・没頭
- 心を砕く(こころをくだく):
あれこれと心配し、非常に気を使うこと。 - 心を配る(こころをくばる):
細かいところまで注意を払う、配慮すること。 - 心を奪われる(こころをうばわれる):
ある物事に夢中になり、うっとりすること。 - 心を込める(こころをこめる):
真心を込めて行うこと。 - 心に刻む(こころにきざむ):
決して忘れないように、深く記憶すること。 - 心に響く(こころにひびく):
深く感動する。 - 心にもない(こころにもない):
本心ではないこと。本当は思っていないこと。 - 心ゆくまで(こころゆくまで):
満足するまで十分に。
心臓に関する表現
- 心臓が止まる(しんぞうがとまる):
(多くは「〜思い」を伴う)非常に驚くことのたとえ。 - 心臓が口から飛び出す(しんぞうがくちからとびだす):
非常に驚いたり、緊張したりするさま。 - 心臓に毛が生えている(しんぞうにけがはえている):
図太いこと。厚かましいこと。
「心・心臓」に関する四字熟語
- 一心不乱(いっしんふらん):
心を一つのことに集中させ、他のことに気を取られないさま。 - 以心伝心(いしんでんしん):
言葉にしなくても、お互いの心と心で通じ合うこと。 - 疑心暗鬼(ぎしんあんき):
疑う心があると、何でもないことまで怪しく、恐ろしく思えてくること。 - 誠心誠意(せいしんせいい):
まごころ。偽りや飾りのない、真面目な心。 - 虚心坦懐(きょしんたんかい):
心になんのわだかまりもなく、さっぱりとして素直なさま。 - 明鏡止水(めいきょうしすい):
曇りのない鏡と静かな水面のように、心が澄み切って落ち着いているさま。 - 安心立命(あんしんりつめい):
天命を悟り、心安らかで何事にも動じないこと。 - 小心翼々(しょうしんよくよく):
気が小さく、非常に慎重であるさま。
「心・心臓」に関する故事成語
- 惻隠の心(そくいんのこころ):
(『孟子』より)他人を気の毒に思い、あわれむ心。人間が生まれながらに持つとされる徳の一つ。 - 杞憂(きゆう):
(『列子』より)全く必要のないことをあれこれ心配すること。(昔、杞の国の人が天が崩れ落ちてこないかと心配した故事から)
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