気が非常に小さく、何事に対してもビクビクと怯えて萎縮している様子。
このような状態を表すのが、「小心翼々」(しょうしんよくよく)です。
意味
「小心翼々」とは、気が非常に小さく、何かに怯えてビクビクしている様子を指す言葉です。
元々は慎み深く敬虔な態度を指しましたが、現代では消極的で度胸がないという否定的なニュアンスを込めて使われることが一般的です。
語源・由来
中国最古の詩集『詩経』の大雅・大明篇に、周の文王が天帝(上帝)に対し敬虔に仕える姿を称える一節として登場します。
昭事上帝 聿懐多福 厥徳不回 小心翼翼
「小心」は細部まで注意を払うこと、「翼翼」は恭しく慎み深いことを意味し、本来は君主の優れた徳性を称賛する表現でした。
使い方・例文
「小心翼々」は、失敗を恐れて新しい行動に踏み出せない人の性格や、強い相手の前で萎縮している態度を表現する場面で使われます。
- 彼は小心翼々として、周囲の顔色ばかりを窺っている。
- 慣れない場所での作業に、小心翼々とした態度で臨む。
- 小心翼々とした様子で、上司に報告を行う。
類義語・関連語
「小心翼々」と似た意味を持つ言葉には以下のものがあります。
- 戦々恐々(せんせんきょうきょう):
具体的な恐怖や不安の対象に対して、激しく怯え震える状態。 - 臆病(おくびょう):
わずかなことにも怖気づいてしまう、勇気のない性質。 - 気が小さい(きがちいさい):
些細なことであっても不安を感じやすく、度胸がない性質。
「小心翼々」と「戦々恐々」の違い
| 言葉 | 焦点 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 小心翼々 | 性格や慢性的な態度 | 臆病で慎重すぎる様子 |
| 戦々恐々 | 差し迫った恐怖や緊張 | 怖くて震え上がっている状態 |
対義語
「小心翼々」と反対の意味を持つ言葉には以下のものがあります。
- 豪放磊落(ごうほうらいらく):
心が広く快活で、小さなことにこだわらない様子。 - 大胆不敵(だいたんふてき):
度胸が据わっており、全く物怖じしない様子。 - 勇猛果敢(ゆうもうかかん):
勇ましく強い意志を持ち、思い切りよく決断する様子。
英語表現
timid
意味:臆病で気が弱い様子。
- He was too timid to speak up in the meeting.
会議で発言するには、彼は小心翼々(気が弱い)すぎました。
faint-hearted
意味:勇気がなく怖気づいている状態。
- The plan is not for the faint-hearted.
その計画は、小心翼々(気の弱い)な人には向きません。
「褒め言葉」が「臆病者」の代名詞になった経緯
『詩経』における「小心翼翼」は、天に対する敬虔な態度や、国家を統治する際の細心の注意を指す褒め言葉でした。
しかし、時代が下るにつれ「小心」という言葉が「胆力が欠けている」という否定的な文脈で使われるようになり、熟語全体の意味も「過度にビクビクしている様子」へと転換しました。
かつては偉大な指導者の資質を指した言葉が、現代では臆病な性格を表す表現として定着しています。






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