一触即発

スポンサーリンク
四字熟語
一触即発
(いっしょくそくはつ)

9文字の言葉」から始まる言葉
一触即発 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

部屋の空気が張り詰めて、誰かが一言でも口を開けば、今にも喧嘩が始まりそう…。

そんなピリピリとした緊張感を、たった四文字で表す言葉が「一触即発」です。

国際情勢から人間関係まで、「爆発寸前」の危うい状況を伝えるこの言葉。
似た意味を持つ「危機一髪」とは一体何が違うのでしょうか? その意味や正しい使い方、緊迫感を伝える英語表現まで詳しく解説します。

「一触即発」の意味

少し触れただけで、すぐに爆発してしまいそうなほど緊迫した状態。

極めて危険な状況や、対立関係がピークに達し、些細なきっかけで大きな事件や争いになりそうな様子を指します。

  • 一触(いっしょく):指一本で、ほんの少し触れること。
  • 即発(そくはつ):すぐに爆発すること。暴発すること。

もともとは爆発物や武器などが、わずかな刺激で作動してしまう危険な状態を指していましたが、現在では主に人間関係や社会情勢の緊張感を表す比喩として使われます。

「一触即発」の語源・由来

この言葉には、特定の歴史的事件や物語(故事)に基づく由来はありません。

れれば座にする(爆発する)」という物理的な現象を漢字で組み合わせ、その危うさを直感的に表現した言葉として定着しました。

一説には、中国・明時代の劇作家、李開先(りかいせん)の文章に見られる表現がルーツとも言われますが、現代使われている意味としては、「火薬庫に火が入りそうな状態」をイメージすると最も分かりやすいでしょう。

「一触即発」の使い方・例文

「今にも何かが起こりそうだ」という事前の緊張状態に対して使います。すでに争いが始まっている場合には使いません。

例文

  • 「国境付近には両軍の戦車が集結し、あたりは一触即発の空気に包まれている。」
  • 「会議での議論がヒートアップし、部長と課長の間は一触即発の険悪なムードになった。」
  • 「ライバル同士の対面は、見ているこちらが冷や汗をかくほどの一触即発ぶりだった。」

文学作品での使用例

昭和の小説家、中島敦(なかじま あつし)は、列強諸国の対立を描く際にこの言葉を用いています。

方(まさ)に一触即発のこの時、天は絶妙な劇作家的手腕を揮(ふる)って人々を驚かせた。
(中島敦『光と風と夢』)

軍艦が睨み合い、今にも戦争が始まりそうなギリギリの状況を「一触即発」と表現しています。

「一触即発」と「危機一髪」の違い

どちらも「危ない状態」を表しますが、使われるタイミングが異なります。

  • 一触即発(いっしょくそくはつ):
    「まだ何も起きていない」が、今にも起きそうな状況
    • イメージ:導火線に火がついている爆弾。
    • 例文:「彼らは一触即発の状態だ(まだ喧嘩はしていない)。」
  • 危機一髪(ききいっぱつ):
    危険がすぐそこまで迫った瞬間、あるいはギリギリで助かった結果
    • イメージ:落ちてきた看板が、鼻先をかすめた瞬間。
    • 例文:「危機一髪で事故を免れた(事故の直前までいった)。」

使い分けのポイント:

  • 「空気」や「雰囲気」が張り詰めているなら「一触即発」。
  • 「結果」として助かった、あるいは破滅寸前の「瞬間」なら「危機一髪」。

「一触即発」の類義語・関連語

  • 剣抜弩張(けんばつどちょう):
    剣(つるぎ)を抜き、弩(いしゆみ)を張り構えること。そこから転じて、物々しく殺気立った雰囲気のたとえ。
  • 風雲急を告げる(ふううんきゅうをつげる):
    情勢が急変し、今にも大事件が起こりそうな気配がすること。
  • 火薬庫(かやくこ):
    本来の意味だけでなく、戦争や紛争が起きやすい危険な地域や状態の比喩として使われます。(例:「欧州の火薬庫」)

「一触即発」の英語表現

Touch-and-go

  • 意味:「きわどい」「不安定な」「一触即発の」
  • 解説:ちょっと触れればどう転ぶかわからない、というニュアンスで、日本語の「一触即発」に非常に近い表現です。
  • 例文:
    The situation is touch-and-go.
    (事態は一触即発だ/予断を許さない)

Explosive situation

  • 直訳:爆発的な状況
  • 意味:「一触即発の事態」
  • 解説:文字通り、今にも爆発しそうな危険な状況を表します。
  • 例文:
    It was an explosive situation.
    (それは一触即発の状況だった)

Tinderbox

  • 直訳:火口箱(火打ち石の火を受ける箱)
  • 意味:「火種」「一触即発の場所」
  • 解説:ちょっとした火花で燃え上がることから、紛争の起きやすい危険地帯などを指します。

「一触即発」に関する豆知識

漢字の書き間違いに注意:「触発」ではない

よくある間違いに「一触発」と書いてしまうケースがあります。

「触発(しょくはつ)」という熟語(何かに刺激されて行動すること)が別にあるため、つい「触」を重ねてしまいがちですが、正しくは「即座に発する」という意味の「即発」です。

  • × 一触
  • 〇 一触

まとめ – 緊張を察知する言葉

一触即発は、まだ起きていない「未来の爆発」を予感させる言葉です。

この言葉が頭に浮かぶような状況では、不用意な発言や行動は厳禁です。
「触れれば爆発する」と分かっていれば、あえて触れずに距離を取ることで、最悪の事態を回避できるかもしれません。
危機管理のアンテナとして、この四字熟語を覚えておきましょう。

スポンサーリンク

コメント