意味
「子は三界の首枷(こはさんがいのくびかせ)」とは、親は子を思う心に引かれて、一生自由を縛られるという意味です。
子どもがいくつになっても、どこにいても気にかかり、親の苦労はいつまでも続く、という気持ちを込めて使います。
- 三界(さんがい):仏教で、過去・現在・未来、または欲界・色界・無色界の三つの世界のこと。
- 首枷(くびかせ):罪人の首にはめて自由を奪う刑具。
語源・由来
この言葉は、中世以後の仏教の厭世思想(= この世をつらく嫌なものと見る考え方)を背景に生まれたことわざです。
古くは「親子は三界の首枷」と言いました。
過去・現在・未来のどこに生まれ変わっても首から外れない枷に、子どもへの思いをたとえています。
「三界」は、どこへ行っても、という意味でも用いられました。
使い方・例文
- 息子が独立しても心配で眠れないのだから、子は三界の首枷だ。
- 受験生の娘が気がかりで旅行を断った。子は三界の首枷とはよく言ったものだ。
- 祖母は六十近い父のことを今も案じている。まさに子は三界の首枷だ。
類義語・関連語
子どもへの思いが親の自由を縛る、という同じ内容を言うことわざです。
- 子はうき世のほだし(こはうきよのほだし):
意味はほぼ同じ。「ほだし」は人の自由を縛るもの。
「子は三界の首枷」とは逆に、子の大切さを言うことわざ
子どもを親の重荷として言うこのことわざに対して、子どもの大切さを言うことわざもあります。
「子に過ぎたる宝なし」は、子どもにまさる宝は無いという意味です。
「子は鎹」は、子どもへの愛情が夫婦の仲をつなぎとめることを、材木をつなぐ鎹にたとえています。
自分が親になって初めて親のありがたさが分かる、という「子を持って知る親の恩」も、親子の間の思いを言うことわざです。


コメント