平和な世を象徴する、極めてめでたい吉兆。
このような状況を表すのが、「鳳凰来儀」(ほうおうらいぎ)です。
意味
鳳凰来儀とは、伝説の霊鳥である鳳凰が姿を現すような、めでたいことが起こる前触れという意味です。
世の中が平和に治まり、優れた指導者が現れることへの期待と喜びの念が込められています。
- 鳳凰(ほうおう):古代中国の伝説上の霊鳥
- 来儀(らいぎ):礼儀を整えてやって来ること
語源・由来

古代中国の儒教の経典である『書経』の「益稷(えきしょく)」篇に登場する伝説がもとになっています。
伝説上の優れた指導者である舜(しゅん)帝の治世で、「簫韶(しょうしょう)」と呼ばれる美しい音楽が演奏されました。
その素晴らしい徳の政治と音色に共鳴し、どこからともなく鳳凰が飛来して舞い踊ったとされています。
『書経』には「簫韶九成、鳳皇来儀(簫韶という音楽を九回演奏したところ、鳳凰が儀容を整えてやって来た)」と記されており、これが徳の高い君主によって天下泰平がもたらされる象徴として定着したと考えられています。
使い方・例文
「鳳凰来儀」は、国家や組織の繁栄を祝う場面や、優れた指導者への期待を込める文脈で使われます。
- 新社長の就任は、まさに鳳凰来儀の吉兆である。
- 鳳凰来儀を思わせる、この上なく平和な時代だ。
- 式典では鳳凰来儀を願い、盛大に舞が披露された。
類義語・関連語
「鳳凰来儀」と同様に、天下泰平やめでたい兆しを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 景星鳳凰(けいせいほうおう):
めでたい星と伝説の鳥が現れるほどの太平の世。 - 瑞気集門(ずいきしゅうもん):
めでたい気が家の門に集まり、幸運が舞い込むこと。 - 吉祥如意(きっしょうにょい):
万事がめでたく、全てが思い通りにうまくいくこと。
「鳳凰来儀」と「景星鳳凰」の違い
どちらも太平の世の到来を表しますが、吉兆として現れる対象に明確な違いがあります。
| 語句 | 現れる吉兆 | ニュアンスの対象 |
|---|---|---|
| 鳳凰来儀 (ほうおうらいぎ) | 霊鳥(鳳凰)のみ | 優れた指導者の出現と平和への期待 |
| 景星鳳凰 (けいせいほうおう) | めでたい星(景星)と霊鳥 | 天文と生物の両方に現れる究極の太平 |
対義語
「鳳凰来儀」とは反対に、世の中が乱れて多難な状況を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 国歩艱難(こくほかんなん):
国家の行く末に困難が多く、多難であること。
なぜ伝説の鳥は「1万円札」の裏に描かれたのか

日本においても、鳳凰は最高位の吉兆とされてきました。
その象徴性が最も身近に表れているのが、旧1万円札(福沢諭吉)の裏面に描かれた平等院鳳凰堂の鳳凰像です。
国家の最高額紙幣にこの瑞鳥が採用された背景には、国の経済的繁栄と平和が永く続くようにという祈りが込められています。








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