意味
「空中楼閣(くうちゅうろうかく)」とは、空中に建てた高い建物のように、土台が無く実現の見込みもない計画や考えのことです。
- 空中(くうちゅう):足場のない、空の中。
- 楼閣(ろうかく):高く立派な建物。
見かけは立派でも中身の伴わない計画を、批判して言うときに使われます。
語源・由来
「空中楼閣」は、空中に築いた楼閣という字義から、根拠のない架空の物事を指すようになった語です。
中国の戯曲『桃花扇』の「入道」の場面から出た言葉とされます。
海上に建物が浮かんで見える蜃気楼そのものを指す意味もあります。
使い方・例文
「空中楼閣」は、計画の具体性の欠如や、現実味のない考えをたしなめる文脈で使われます。
単なる「大きな夢」ではなく、実現不可能であることを強調する際に用いられるのが一般的です。
例文
- 具体策のない事業計画は、空中楼閣に過ぎない。
- 基礎練習を怠ったまま優勝を願うのは、空中楼閣だ。
- 彼の主張は前提が間違っており、まさに空中楼閣と言える。
類義語・関連語
「空中楼閣」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 砂上の楼閣(さじょうのろうかく):
砂の上に建てた建物の意から、基礎がもろく長く維持できないことのたとえ。
「空中楼閣」は最初から実体がないことを、こちらは土台のもろさを強調する。 - 画餅(がべい):
絵に描いた餅のこと。実物の代わりにはならず、何の役にも立たないもののたとえ。 - 机上の空論(きじょうのくうろん):
机の上だけで考えた、現実には役に立たない理論や計画。 - 鏡花水月(きょうかすいげつ):
鏡に映った花や水に映った月。目には見えるが手に取れない実体のないもののたとえ。
対義語
「空中楼閣」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 地に足がつく(ちにあしがつく):
考え方や行動が現実的で、着実な様子。 - 堅実(けんじつ):
手堅く、危なげがないこと。 - 着実(ちゃくじつ):
落ち着いて物事に取り組み、確かであること。
英語表現
「空中楼閣」を英語で表現する場合、以下のような定型句があります。
Castle in the air
直訳は「空中の城」で、日本語とほぼ同じ組み立ての慣用句。
実現しそうにない夢や、非現実的な計画を指す。
His plans for a mansion are just castles in the air.
(彼の大豪邸の計画は、ただの空中楼閣だ。)
Pie in the sky
直訳は「空にあるパイ」で、実現しそうにない望みや、当てにならない将来の話を指す表現。
That promise of a raise was just pie in the sky.
(昇給の約束は、空中楼閣のようなものだった。)
江戸・明治の「空中楼閣」は作り話のこと
日本での早い例は、江戸時代中期の儒学者清田儋叟の随筆『孔雀楼筆記』(1768年)に出てきます。
中国の小説を好んだことで知られる儋叟は、文章の書きぶりを評して「無中に有を生ず、空中楼閣の手段あり」(何もないところから有るものを生み出す、空中楼閣のような手並みがある)と書いています。
明治11年(1878年)から出たイギリス小説の翻訳『花柳春話』では、語り手が、自分の伝記を書く人でさえ大事なことの十のうち七、八は書き漏らすと述べ、「況んや想像の余り一巻に空中楼閣を描写するに於てをや」(まして想像にまかせて一冊の本に空中楼閣を描くとなれば、なおさら書き尽くせない)と続けています。
ここでの「空中楼閣」は、想像で作った小説の話そのものです。
どちらの例も、頭の中だけで組み立てた架空の物事を「空中楼閣」と呼んでいます。









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