期待していたことが思い通りにならず、心の底からがっかりした経験は誰にでもあるでしょう。
「失望落胆(しつぼうらくたん)」は、まさにそのような、希望を失い、気力をなくしてしまう様子を表す四字熟語です。
この言葉は、期待が大きかった分、それが裏切られた時の深い落ち込みを表現します。
「失望落胆」の意味・教訓
「失望落胆」とは、期待や希望が外れてすっかりがっかりし、気力を失ってしまうことを意味します。
「失望」は、当てにしていたことが実現せず、希望を失うこと。
「落胆」は、がっかりして気を落とすこと。
この二つの言葉が重なることで、単なる「がっかり」を超えた、より深く、精神的に落ち込んでいる状態を強調しています。
「失望落胆」の語源
「失望落胆」は、「失望」と「落胆」という二つの熟語を組み合わせて作られた四字熟語です。それぞれの漢字が持つ意味は以下の通りです。
- 失:うしなう。
- 望:のぞみ、期待。
- 落:おちる、おとす。
- 胆:きも(肝)。古くから「気力」や「勇気」の源と考えられる。
「失望」は文字通り「望みを失う」こと。「落胆」は「肝(気力)を落とす」こと、つまり気力がなくなることを意味し、この二つが合わさって「希望を失い、気力もなくなる」という意味になりました。
「失望落胆」の使い方と例文
「失望落胆」は、信じていた人に裏切られたり、努力してきたことが報われなかったり、強く期待していた結果が得られなかったりした際に、深く落ち込む様子を表すのに使われます。
例文
- 「あれほど努力したのに試験に落ちてしまい、彼はすっかり失望落胆していた。」
- 「信頼していた友人の裏切りを知り、彼女は失望落胆の色を隠せなかった。」
- 「長年応援してきたチームが呆気なく敗退し、ファンは失望落胆した。」
類義語・関連語
「失望落胆」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
- 意気消沈(いきしょうちん):
元気がなくなり、しょげ返ること。 - 垂頭喪気(すいとうそうき):
元気をなくし、うなだれている様子。外見的な落ち込みも含む。 - 失意(しつい):
望みを失い、がっかりすること。「失意の底」などと使われる。 - がっかり:
「失望落胆」をより日常的な言葉で表現したもの。
対義語
「失望落胆」と反対の意味を持つ言葉を紹介します。
- 得意満面(とくいまんめん):
誇らしげな気持ちが顔全体にあふれている様子。 - 意気軒昂(いきけんこう):
意気込みが盛んで元気な様子。 - 意気揚々(いきようよう):
得意げで威勢のよい様子。 - 希望(きぼう):
望みをかけること。「失望」の直接的な対義語。
英語での類似表現
Disappointed and discouraged
- 意味:「失望し、落胆した」
- 解説:「失望(Disappointed)」と「落胆(discouraged=勇気や元気をくじかれた)」を組み合わせた、非常に直接的な表現です。
- 例文:
I was deeply disappointed and discouraged by the result.
(その結果に、私は深く失望落胆した。)
Dejected
- 意味:「落胆した、元気のない」
- 解説:失敗や拒絶などによって気分がひどく落ち込んでいる状態を表す言葉です。
- 例文:
He looked dejected after failing the exam.
(試験に落ちて、彼は失望落胆した様子だった。)
To lose heart
- 意味:「気落ちする、がっかりする」
- 解説:「心を失う」という直訳から、勇気や自信、希望を失うことを意味するイディオム(慣用句)です。
- 例文:
Don’t lose heart, you can try again.
(失望落胆しないで、また挑戦できるよ。)
まとめ – 「失望落胆」した時には
「失望落胆」とは、期待や希望が裏切られ、すっかり気力を失ってしまった状態を指す四字熟語です。
生きていれば、物事が思い通りにいかず、失望落胆することも少なくありません。しかし、その状態が永遠に続くわけではなく、そこから何を見出し、どう立ち直るかが大切ですね。


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