困難や挑戦を前にしたとき、臆することなく、むしろ意気盛んに立ち向かう姿は、見る人の心をも奮い立たせます。
「勇気凛々(ゆうきりんりん)」は、まさにそのような、勇気にあふれた頼もしい様子を表す四字熟語です。
この言葉が持つ意味や構成、具体的な使い方を見ていきましょう。
「勇気凛々」の意味・教訓
「勇気凛々」とは、勇気にあふれ、意気盛んで、精神が引き締まっている様子を表します。
何事をも恐れずに物事に立ち向かう、活発で頼もしい姿を指す言葉です。単に「勇気がある」というだけでなく、その勇気が精神的な勢いや力強さ(凛々しさ)として、外見や態度にみなぎっている状態を示します。
「勇気凛々」の語源 – 漢字の意味
この四字熟語は、構成する漢字のそれぞれの意味が組み合わさってできています。
- 勇気(ゆうき):困難や危険を恐れない、いさましい心。
- 凛々(りんりん):精神が引き締まっていて、いさましく頼もしい様子。きりっとしているさま。
つまり、「いさましい心(勇気)」が「きりっと頼もしい様子(凛々)」として現れている状態を強調した言葉です。
「勇気凛々」の使い方と例文
スポーツの試合で強敵に挑むチーム、新しい事業に挑戦する起業家、困難な状況でリーダーシップを発揮する人など、何らかの困難や挑戦に対し、臆することなく堂々と立ち向かうポジティブな姿を称賛・描写する際に使われます。
例文
- 「彼は「勇気凛々」たる態度で、難局に立ち向かうことを宣言した。」
- 「若い選手たちが、王者を相手に「勇気凛々」と戦う姿に感動した。」
- 「周囲の反対を押し切り、彼女は「勇気凛々」として新しいプロジェクトを立ち上げた。」
類義語・関連語
- 勇猛果敢(ゆうもうかかん):
勇ましく、大胆で決断力があること。 - 意気軒昂(いきけんこう):
意気込みが盛んで、元気いっぱいな様子。 - 威風堂々(いふうどうどう):
威厳や気迫が満ちあふれ、立派であるさま。 - 剛毅果断(ごうきかだん):
意志が強く、思い切って物事を行うこと。
対義語
- 意気消沈(いきしょうちん):
元気がなくなり、しょげかえること。 - 戦意喪失(せんいそうしつ):
戦う気力(物事に取り組む意欲)を失うこと。 - 小心翼々(しょうしんよくよく):
気が小さく、ビクビクしているさま。 - 唯唯諾諾(いいだくだく):
自分の意見がなく、ただ他人の言うことに従うさま。
英語での類似表現
Brave and high-spirited
- 意味:「勇敢で、意気盛んな」
- 解説:「勇気」と「凛々(意気が盛んな様子)」を組み合わせた、直接的で分かりやすい表現です。
- 例文:
The team remained brave and high-spirited, even when facing a stronger opponent.
(チームは、より強い相手に直面しても、勇気凛々としていた。)
Dauntless / Valiant
- 意味:「不屈の、勇敢な」
- 解説:「Dauntless」は「臆することのない」、「Valiant」は「勇敢な、見上げた」という意味で、困難に立ち向かう「勇気凛々」のニュアンスをよく表します。
- 例文:
She showed a dauntless spirit in tackling the difficult problem.
(彼女はその難問に取り組む上で、勇気凛々たる精神(不屈の精神)を見せた。)
「勇気凛々」に関する豆知識
「勇気凛々」という言葉は、アニメ『それいけ!アンパンマン』のエンディングテーマ曲『勇気りんりん』のタイトルとしても非常に有名です。
歌詞の中では「勇気」と「(鈴が)りんりん」が掛けられていますが、この歌によって、「勇気」と「りんりん」という響きが結びつき、多くの子供たちにとってポジティブなイメージとして定着しています。
まとめ – 「勇気凛々」から学ぶ知恵
「勇気凛々」は、単に怖くないということではなく、困難や課題を前にしても意気盛んに、きりっとした態度で臨む姿を表します。
それは、自分自身を奮い立たせるだけでなく、周りの人々にも勇気と希望を与える力を持っています。ピンチの時こそ、この「勇気凛々」の精神を思い出したいものですね。



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