意味
「青菜に塩(あおなにしお)」とは、人が何かのきっかけで急に元気をなくし、すっかりしょげてしまう様子を指します。
それまで生き生きとしていた者が、叱られたり失敗したりすることで、気力を失い、しおれてしまった姿をたとえた言葉です。
語源・由来
「青菜に塩」の由来は、調理中の野菜の性質に基づいています。
新鮮なほうれん草や小松菜などの青菜に塩を振りかけると、水分が外に出て、シャキッとしていた葉がしんなりとしおれてしまいます。
このしおれた葉を、人がショックを受けてうなだれる姿に重ねたたとえです。
使い方・例文
期待が外れたときや、厳しく注意を受けたときなど、心理的なダメージによって元気がなくなった場面で使われます。
- 志望校に落ちた彼は、青菜に塩の状態で部屋に引きこもった。
- 遠足が雨で中止になり、弟は青菜に塩といった様子だ。
- 課長から厳しく叱責され、彼は今や青菜に塩である。
類義語・関連語
「青菜に塩」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 意気消沈(いきしょうちん):
元気がなくなって沈み込むこと。 - 悄気る(しょげる):
がっかりして元気をなくす。 - 肩を落とす(かたをおとす):
がっかりして気落ちする。 - 蛞蝓に塩(なめくじにしお):
苦手なものを前にして、すくんでしまう様子。
対義語
「青菜に塩」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
英語表現
「青菜に塩」を英語で表現する場合、以下の定型句が適しています。
lose heart
「がっかりして気力をなくす」「気落ちする」という意味の表現。
He lost heart when he heard the bad news.
(彼は悪い知らせを聞いて、青菜に塩の状態になった。)
be dejected
「落胆する」「がっかりする」というニュアンスで使われます。
She was dejected after failing the exam.
(彼女は試験に落ちて青菜に塩だった。)
「青菜に塩」は江戸前期から使われている
明暦2年(1656年)、土佐の僧の皆虚が俳諧の手引きとして世間の言い回しを集めた『世話尽』に、「青菜にしほ」の形で載っています。
「あ」で始まる言い回しの中に、「雨降て地かたまる」「蟻の堂参り」などと並んでいます。
明治35年(1902年)の文学者内田魯庵の短編集『社会百面相』では、令嬢に言い寄っていた小説家の荒尾先生が、「当分お尋ねはお断り申します」と言い渡されます。
語り手は「荒尾先生、青菜に塩ですごすごと帰ったが、俺も其後姿を見送った時は可哀相になったよ」と話しています。
江戸前期に書き留められた言い回しが、250年ほど後の明治の小説でも、今と同じ「しょげる」の意味で使われています。













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