テストで良い点を取った、仕事の企画が通った、スポーツの試合で活躍した。そんな時、誇らしさと満足感で思わず顔がほころんでしまった経験はありませんか。
「得意満面」は、まさにそうした瞬間、喜びや誇りが顔全体にあふれ出ている様子を表す言葉です。
「得意満面」の意味
「得意満面(とくいまんめん)」とは、何かを成し遂げたり、思い通りになったりして、満足げな気持ちが顔全体にあふれている様子を意味する四字熟語です。
この言葉は、二つの部分から成り立っています。
- 得意(とくい):自分の思い通りになって満足していること。誇らしげなこと。
- 満面(まんめん):顔全体。顔じゅう。
つまり、「満足感や誇らしさが、顔いっぱいにあふれている」状態を指します。非常に分かりやすく情景が浮かぶ表現です。
「得意満面」の使い方と例文
「得意満面」は、試験に合格した、コンテストで優勝した、あるいは褒められた時など、ポジティブな結果に対して本人が誇らしさと満足感を抱いている場面で使われます。
表情や態度が、周りから見ても明らかに「うまくいったぞ」「嬉しいぞ」と分かるような状況で用います。
例文
- 「弟は、コンクールで金賞を取った賞状を「得意満面」の表情で見せてきた。」
- 「彼女は、難しいプロジェクトを成功させ、「得意満面」で上司に報告した。」
- 「自分で作った料理が家族に好評で、彼は「得意満面」だった。」
- 「孫は、覚えたての歌を披露し、「得意満面」に拍手を待っていた。」
類義語・関連語
「得意満面」と似た状況や心情を表す言葉です。
- 得意気(とくいげ):
誇らしそうな様子。表情だけでなく、態度全体を指すことが多いです。 - 意気揚々(いきようよう):
自信に満ち、元気いっぱいで誇らしげな様子。「得意満面」よりも行動的な勢いが感じられます。 - 満面の笑み(まんめんのえみ):
顔いっぱいの笑顔。嬉しさが前面に出た表現で、「得意満面」ほどの「誇らしさ」のニュアンスは必須ではありません。 - したり顔:
うまくいった、自分の思った通りになった、という満足げな顔つき。
対義語
「得意満面」とは反対に、元気がなかったり、落ち込んだりしている様子を表す言葉です。
- 意気消沈(いきしょうちん):
元気をなくし、しょんぼりと沈み込む様子。 - しょんぼり:
元気がなく、うちしおれている様子。 - 憮然(ぶぜん):
失望したり、不満に思ったりして、どうしようもないという顔つき。 - 失意(しつい):
望みが叶わず、がっかりすること。
英語での類似表現
「得意満面」のニュアンスに近い英語表現を紹介します。
beaming with pride
- 意味:「誇らしさで輝いている(笑顔である)」
- 解説:「beam」は光を放つ、にこやかに笑うという意味です。「pride(誇り)」で顔が輝いている、というニュアンスが「得意満面」と似ています。
- 例文:
She was beaming with pride after her son won the speech contest.
(息子のスピーチコンテスト優勝を受けて、彼女は誇らしさに満ちた笑顔だった。)
a triumphant look
- 意味:「勝利した(ような)表情」
- 解説:「triumphant」は「勝利を得た」「意気揚々とした」という意味の形容詞です。何かを成し遂げた後の、誇らしげな表情を指します。
- 例文:
He crossed the finish line with a triumphant look on his face.
(彼は得意満面といった表情でゴールテープを切った。)
「得意満面」を使う上でのニュアンス
「得意満面」は、基本的には本人の満足感や達成感を表すポジティブな言葉です。
しかし、文脈や受け取る人によっては、その表情が「少し調子に乗っている」「自慢げだ」とややネガティブなニュアンスで捉えられることもあります。
例えば、「彼は注意されたばかりなのに、別のことで褒められて得意満面になっている」といった使い方では、その場の空気を読んでいない様子を暗に示すこともできます。
とはいえ、本来は達成した喜びが素直に表れている様子を示す、微笑ましい情景を描写する言葉です。
まとめ – 「得意満面」と上手に付き合う
「得意満面」は、努力が実ったり、物事がうまくいったりした時の、誇りと満足感にあふれた表情を表す四字熟語です。
誰かの「得意満面」な表情を見かけたら、それはその人が何かを頑張った証かもしれません。また、自分自身が「得意満面」になる瞬間があれば、その達成感を素直に喜びたいものですね。




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