意味
「失意泰然(しついたいぜん)」とは、思い通りにいかず落胆しているときこそ、あわてずゆったりと構えるべきだという教訓です。
この熟語を構成する言葉の意味は以下の通りです。
- 失意(しつい):望みが外れてがっかりすること。
- 泰然(たいぜん):物事に動じず、落ち着いている様子。
失敗したときに自暴自棄になったり、周囲に当たり散らしたりするのではなく、静かに次の機会を待つ強さを説いています。
語源・由来
「失意泰然」の語源は、中国・明代の学者、崔銑が記した「六然訓」(ろくぜんくん)にあります。
「六然訓」は、六つの心構えを説いた教えです。
その最後に「失意のときは泰然とすべし」という意味で記された一節が、四字熟語として定着しました。
使い方・例文
「失意泰然」は、不運に見舞われた人を励ます際や、自分を奮い立たせるための座右の銘として用いられます。
例文
- 志望校の判定が悪くても、彼は失意泰然として淡々と勉強を続けている。
- 大会で初戦敗退を喫したが、監督は失意泰然とした態度で選手たちをねぎらった。
- 「失敗したときこそ『失意泰然』であれ」と祖父に教わった。
類義語・関連語
「失意泰然」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 不撓不屈(ふとうふくつ):
強い意志を持って、どんな困難にもくじけないこと。 - 明鏡止水(めいきょうしすい):
邪念がなく、静かに落ち着き払った心境のこと。 - 平然(へいぜん):
物事に動じず、平気でいる様子。
対義語
「失意泰然」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 右往左往(うおうさおう):
混乱して、あっちへ行ったりこっちへ行ったりとうろたえること。 - 意気消沈(いきしょうちん):
元気をなくして、がっかりすること。 - 自暴自棄(じぼうじき):
希望を失い、自分の身を粗末にしたり投げやりになったりすること。
英語表現
「失意泰然」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが使われます。
Take it in one’s stride
「困難や不運を冷静に受け止める」という意味で、予期せぬトラブルや失敗が起きても慌てずに当たり前のこととして受け流すニュアンスを表す表現。
Even after failing the exam, she took it in her stride.
(試験に落ちた後も、彼女は動じなかった。)
Keep one’s chin up
直訳は「顔を上げておく」で、困難な状況でも希望を捨てず、意気消沈せずに毅然とした態度を保つことを意味する慣用句。
Try to keep your chin up even in difficult times.
(苦しい時こそ、失意泰然とした態度を心がけなさい。)
失意泰然と対になる句は「得意淡然」
「失意泰然」は、セットとなる「得意淡然」(とくいたんぜん)と併せて覚えることで、その真価がより明確になります。
これは「物事がうまくいっているときこそ、おごらずあっさりしていなさい」という教えです。
なお、「得意淡然」は「得意澹然」とも書きます。
「六然訓」は六つの句からなり、「自処超然」「処人藹然」「有事斬然」「無事澄然」「得意淡然」「失意泰然」が並びます。
「得意」と「失意」は、その最後の二句として対になっています。









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