四字熟語 故事成語

処人藹然

(しょじんあいぜん)

他人に接する時は、春の風のように和やかで温かくあること。


8文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
処人藹然 ことば
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意味

「処人藹然(しょじんあいぜん)」とは、他人に接するときは、春の風のように和やかで、温かい態度で臨むべきだという教訓です。

一つ一つの語の意味は次の通りです。

  • 処人(しょじん):他人に接すること。人との付き合い方。
  • 藹然(あいぜん):気分などが穏やかで和やかな様子。

相手によって態度を変えたり、自分の感情をそのままぶつけたりするのではなく、誰に対しても等しく温和な心で向き合うことの大切さを説いています。

語源・由来

「処人藹然」は、中国・明(みん)代の学者、崔銑(さいせん)が自分を律するために定めた「六然訓」(ろくぜんくん)の一句です。

「六然訓」は、人生で保つべき六つの心の状態(然)を示したもので、「自処超然」「処人藹然」「有事斬然」「無事澄然」「得意淡然」「失意泰然」の六句からなります。
「処人藹然」はその二句目です。

使い方・例文

「処人藹然」は、周囲を和ませる人柄を称賛するときや、接客・教育などの場面での心がけとして使われます。

例文

  • 彼女は誰に対しても処人藹然として接するため、クラスのみんなから慕われている。
  • 「部下を叱るときも、根底に処人藹然とした温かさを持て」と教わった。
  • 隣の奥さんはいつも処人藹然とした笑顔で挨拶をしてくれる。
  • 機嫌が悪いときこそ処人藹然を心がけ、無用なトラブルを避けられた。

誤用・注意点

「処人藹然」を、単なる「八方美人」や「お世辞を言うこと」と混同してはいけません。

この言葉の本質は、相手に媚びへつらったり、顔色をうかがったりすることではありません。
心の内側にしっかりとした品格や自律心を持ちながら、外側に見せる態度は温和であるべきだという「内剛外柔」の精神を指しています。

また、「藹然」を「愛然」と書くのは間違いです。
「藹」は「和やか、穏やか」という意味の字です。

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類義語・関連語

「処人藹然」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 和気藹々(わきあいあい):
    和やかな気分が満ちあふれている様子。
  • 温厚篤実(おんこうとくじつ):
    穏やかで温かく、誠実な人柄であること。
  • 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう):
    春の風がのどかに吹く様子。転じて、性格がのんびりとして和やかなこと。

対義語

「処人藹然」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 傲慢不遜(ごうまんふそん):
    思い上がって、相手を見下し、礼儀に欠けること。
  • 冷淡(れいたん):
    関心がなく、思いやりや熱情が欠けている様子。
  • 刺々しい(とげとげしい):
    言葉つきや態度が険しく、相手を傷つけるような様子。

英語表現

「処人藹然」を英語で表現する場合、次の語が近い意味を表します。

affable

話しやすく穏やかな人柄を指す形容詞で、「藹然」のニュアンスに近い語。

His affable and kind nature makes him a great leader.
(人当たりが柔らかく優しい人柄が、彼を偉大な指導者にしている。)

新島襄の応接間には「処人藹然」を含む勝海舟の書

同志社を開いた新島襄にいじまじょうは、幕末の幕臣ばくしん・勝海舟に頼んで六然訓の六句を書いてもらい、座右の銘にしていました。
明治の伝記には、この六句の額が新島の家の応接間に掛かっていたと書かれています。

京都に残る新島旧邸でも、応接間の正面奥の額は勝海舟の書と案内されています。
新島は、客を迎える部屋に「人に接するときは和やかに」という「処人藹然」の句を掲げていました。

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