四字熟語

取捨選択

(しゅしゃせんたく)

多くのものから必要なものを選び、不要なものを捨てること。


8文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
取捨選択 ことば
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意味

「取捨選択(しゅしゃせんたく)」とは、多くのものの中から、必要なものを選び取り、不要なものを捨てることです。
単に「好きなものを選ぶ」というだけでなく、あえて「選ばない(捨てる)」という決断が含まれている点がこの言葉の核心です。

  • 取捨(しゅしゃ):取るべきものと捨てるべきものを分けること。
  • 選択(せんたく):多くのものの中から、よいもの、目的にかなうものを選び出すこと。

似た意味を持つ二つの言葉を重ねることで、自分にとって価値のあるものを厳格に選び抜く姿勢を強調しています。

語源・由来

「取捨選択」は、特定の歴史的な出来事や物語から生まれた言葉ではなく、二つの熟語を組み合わせた構成になっています。

「取捨」と「選択」は、それぞれ単独でも「選び分ける」という意味で古くから使われてきました。
例えば「選択(せんたく/せんちゃく)」という言葉は、仏教において「多くの教えの中から最良のものを選び取る」といった文脈で用いられてきた歴史があります。

使い方・例文

「取捨選択」は、時間や能力といったリソースが限られている中で、優先順位をつけなければならない場面で使われます。
仕事のタスク整理から、日常生活でのモノの処分まで、幅広く用いられる表現です。

例文

  • 「情報の海から、自分にとって有益な事実を取捨選択する。」
  • 「限られた予算内で、導入する機能を思い切って取捨選択した。」
  • 「進路を決める際は、周囲の意見を取捨選択して聞き入れるべきだ。」
  • 「受験本番を前に、解くべき問題と捨てる問題を取捨選択する。」

類義語・関連語

「取捨選択」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 選別(せんべつ):
    一定の基準に基づいて、ふさわしいものとそうでないものをより分けること。
  • えり抜き(えりぬき):
    多くの中から、特に優れたものを選び出すこと。
  • 去華就実(きょかしゅうじつ):
    表面的な華やかさを捨て、実質のある中身を取ること。
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対義語

「取捨選択」とは対照的な、区別をしないことを表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 十把一絡げ(じっぱひとからげ):
    いろいろな種類のものを、区別せずひとまとめに扱うこと。
  • 鵜呑みにする(うのみにする):
    物事の真偽を自分で判断せず、そのまま受け入れること。
  • 玉石混交(ぎょくせきこんこう):
    価値のあるものとないものが入り混じっている状態。

英語表現

「取捨選択」を英語で表現する場合、以下の定型的な表現がよく使われます。

select

「慎重に選ぶ」「選抜する」という意味の動詞です。
「最良のものを選び抜く」というニュアンスを含みます。

We need to select only the most relevant data.
(関連性の高いデータだけを取捨選択する必要がある。)

sift through

「ふるいにかける」という意味の慣用表現です。
大量のものの中から必要なものを探し出すプロセスを表現するのに適しています。

I spent all day sifting through the applications.
(一日中かけて、応募書類を取捨選択した。)

芥川の「西郷隆盛」、取捨選択が記録を事実から遠ざける

芥川龍之介の短編「西郷隆盛」では、「取捨選択」が史料の確かさをめぐる会話の中に出てきます。
西郷隆盛の城山での戦死を疑う老紳士が、本間さんに向かって、正確な史料などどこにもないと説く場面です。

誰でもある事実の記録をするには自然と自分でディテエルの取捨選択をしながら、書いてゆく。これはしないつもりでも、事実としてするのだから仕方がない。と云う意味は、それだけもう客観的の事実から遠ざかると云う事です。
(芥川龍之介「西郷隆盛」)

記録を書く人は、そのつもりがなくても細部を選び、残りを捨てています。
老紳士はそれを理由に、記録は書かれた時点で事実そのものから離れていると主張します。

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