意味
「白眼視」とは、相手を冷たく扱ったり、敵意を持って見ることです。
気に入らない相手を、黒目のない「白目」で見るような冷淡な態度を指します。
単に「無視する」というだけでなく、そこには「軽蔑」「拒絶」「嫌悪」といったネガティブな感情が含まれており、集団の中で異端として扱われる際によく使われます。
語源・由来
「白眼視」の由来は、中国の歴史書『晋書』に記された、阮籍(げんせき)という人物のエピソードです。
3世紀頃の中国に「竹林の七賢」と呼ばれる、権力や形式を嫌い、自由奔放に生きた7人の知識人がいました。その中心人物である阮籍は、堅苦しい礼儀作法ばかり気にする俗っぽい客が来ると、わざと黒目を見せず「白目(白眼)」をむいて対応しました。
一方で、気の合う友人が訪ねてくると、喜びを表して「黒目(青眼)」を見せて迎えたといいます。
この故事から、相手を冷遇することを「白眼視」、好意を持って迎えることを「青眼(せいがん)」と言うようになりました。
使い方・例文
「白眼視」は、単なる「嫌い」という感情よりも、集団のルールや常識から外れた人物に対して向けられる「冷ややかな拒絶」というニュアンスで使われます。
例文
- 古いしきたりに異を唱えた彼は、村の古参たちから白眼視されるようになった。
- ゴミ出しのルールを破り続けたら、ご近所から白眼視されてしまい居心地が悪い。
- かつて非常識と白眼視されたファッションも、今では若者の定番だ。
類義語・関連語
「白眼視」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 白い目で見る(しろいめでみる):
軽蔑や非難の目つきで見ること。「白眼視」を日常会話で使いやすくした表現。 - 異端視(いたんし):
その集団の正統な教えや常識から外れたもの(異端)として扱うこと。 - 冷遇(れいぐう):
冷淡な待遇をすること。 - 爪弾き(つまはじき):
嫌って排斥すること。多くの人から相手にされない状態。
「白眼視」と「白い目で見る」の違い
「白眼視」はやや硬い表現で、心理的な「冷遇・敵視」という態度全般を指します。
一方、「白い目で見る」は、実際に冷ややかな視線を向けるという「動作」や「目つき」に焦点を当てた、より口語的な表現です。
対義語
「白眼視」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 青眼(せいがん):
好意を持って人を見ること。喜び迎えること。「白眼」の対となる言葉。 - 垂青(すいせい):
目上の人が、目下の者を気に入って目をかけること。「青眼を垂れる」の意。
英語表現
「白眼視」を英語で表現する場合、冷たい態度や視線を表すフレーズが使われます。
give someone the cold shoulder
直訳は「冷たい肩を与える」で、「〜によそよそしい態度をとる」「冷遇する」という意味を表す表現。無視したり、背中を向けて冷たくあしらったりする際の代表的なイディオムである。
Since that incident, he has been given the cold shoulder.
(あの事件以来、彼は白眼視されている/冷たくあしらわれている。)
look coldly at
「〜を冷ややかな目で見る」という意味を表す表現。物理的な視線だけでなく、感情的な冷たさも表す。
They looked coldly at the newcomer.
(彼らは新入りを白眼視した。)
古代中国と日本の「青」
由来となった阮籍のエピソードに出てくる「青眼」ですが、なぜ黒目のことを「青」と言うのでしょうか。
古代中国や日本において、「青」という色は、現代のブルーだけでなく「黒く澄んだ色」も指していました。
馬の毛並みの「青毛(黒っぽい色)」や、つややかな黒髪を指す「緑の黒髪」と同様に、澄んだ美しい黒目を「青眼」と表現したのです。
ちなみに、剣道の構えにある「青眼(正眼・晴眼)」は「剣先を相手の目の高さにつける構え」のことであり、今回の「好意的な目」という意味の「青眼」とは別物です。













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