圧巻

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故事成語
圧巻
(あっかん)

4文字の言葉」から始まる言葉
圧巻 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

数ある作品や演技の中でも、見る者をねじ伏せるような大迫力や、他を寄せ付けない完成度で「これこそが一番だ」と誰もが唸る場面。

その他大勢を圧倒するほどの最高傑作や名場面を指して、
「圧巻」(あっかん)と言います。

意味

「圧巻」とは、書物、劇、曲、催し物などの中で、最も優れている部分という意味です。

全体の中で一番の見せ場や、他よりも際立って素晴らしい箇所を指して使われます。
単に「すごい」という意味ではなく、「全体と比較して突出して優れている」というニュアンスが含まれます。

語源・由来

「圧巻」の語源は、かつての中国で行われていた官吏登用試験「科挙(かきょ)」に由来します。

非常に難関として知られるこの試験では、最も優秀な答案用紙(巻)を一番上に乗せ、他の答案を上から押さえつけるようにして重ねていました。

このことから、「多くの答案(巻)を上から圧(お)さえるほど優れたもの」という意味で「圧巻」という言葉が生まれ、やがて書物や芸術作品の中で最も優れた部分を指す言葉として定着しました。

使い方・例文

「圧巻」は、芸術鑑賞、スポーツ、自然の風景など、何らかの作品やイベントの中で「最高の部分」を称賛する際によく使われます。

例文

  • 昨日のフィギュアスケートの演技は、まさに圧巻の一言だった。
  • 山頂から見下ろす紅葉の景色は圧巻で、登山の疲れも吹き飛んだ。
  • 彼のプレゼンテーションは資料も話し方も完璧で、会議の中でも圧巻の内容だった。
  • 映画のラストシーンは圧巻の迫力で、観客は皆、息をのんで見入っていた。

誤用・注意点

日常会話で非常によく耳にする言葉ですが、実は間違った使い方が広まっている言葉の一つでもあります。

「圧巻される」は間違い

「素晴らしい景色に圧巻された」のように、受け身の動詞として使うのは誤りです。「圧巻」は名詞であり、「する/される」という動作を表す言葉ではありません。

この場合、正しくは「圧倒(あっとう)された」を使います。「圧巻」と「圧倒」は音が似ているため混同されやすいですが、以下の違いがあります。

  • 圧巻(名詞):最も優れている「部分」や「こと」。
    • 正:その景色は圧巻だった。
  • 圧倒(動詞):力が相手より勝り、押さえつけること。
    • 正:その景色に圧倒された。

類義語・関連語

「圧巻」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 白眉(はくび):
    数あるものの中で、最も優れている人や物のこと。
    「三国志」の故事に由来し、「圧巻」と非常に近い意味で使われます。
  • 山場(やまば):
    物事の絶頂や、最も重要な場面のこと。
  • 見せ場(みせば):
    映画や演劇などで、最も興味を引く場面や活躍する場面。

英語表現

「圧巻」を英語で表現する場合、文脈(名詞として使うか、形容詞的に使うか)によって言葉を使い分けます。

highlight

  • 意味:「最も明るい部分」「見せ場」
  • 解説:イベントやショーの中で、最も注目すべき最良の部分(名詞)を指す、最も一般的な英訳です。
  • 例文:
    That performance was the highlight of the show.
    (あの演技はショーの圧巻(一番の見せ場)だった。)

masterpiece

  • 意味:「傑作」「名作」
  • 解説:作品全体が素晴らしい場合や、「圧巻の出来」と賞賛する場合に適しています。
  • 例文:
    The movie is a masterpiece.
    (その映画は圧巻(傑作)だ。)

breathtaking

  • 意味:「息をのむような」「あっと言わせる」
  • 解説:日本語の「圧巻の(景色・迫力)」という形容詞的なニュアンスを伝えるのに適しています。
  • 例文:
    The view from the top was breathtaking.
    (頂上からの景色は圧巻(息をのむほど)だった。)

科挙の凄まじい倍率

ちなみに、この言葉の由来となった「科挙」は、人類史上最も過酷な試験の一つと言われています。

時代によっては合格倍率が3,000倍を超えることもあり、一生をかけて受験し続ける人も珍しくありませんでした。
そんな無数の答案の中で「一番上に置かれる(圧巻)」ことが、いかに並外れた偉業であったかが想像できます。現代で私たちが気軽に「圧巻だ」と使う感動の裏には、それほどの重みがあるのです。

まとめ

「圧巻」は、単なる感動を超えて、他を圧倒するほど優れた最高傑作や名場面を称える言葉です。

「圧倒される」との混同には注意が必要ですが、本当に素晴らしいものに出会ったとき、その感動を端的に伝えるのにこれほど適した言葉はありません。心から震えるような体験をした際には、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

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