必要なものをお金で手に入れることが当たり前になった現代において、他者に依存せず、自らの労働で生活を成り立たせる姿を表すのが、
「自給自足」(じきゅうじそく)です。
意味
「自給自足」とは、自分が必要とする物資を、他人に頼らず自らの力で生産してまかなうことを意味する四字熟語です。
- 自給(じきゅう):自分に必要なものを自分で供給すること。
- 自足(じそく):自分自身で満ち足りること。自分の欲求を満たすこと。
外部からの供給や経済システムに過度に依存せず、自分の労働によって生活を成り立たせている状態を指します。
語源・由来
「自給自足」に中国の古典などの特定の歴史的な出典や物語(故事成語)はなく、「自給(自分でまかなう)」と「自足(自分で満ち足りる)」という二つの言葉を直接的に組み合わせた四字熟語です。
古くから農村部における生活形態(自給経済)を指す言葉として使われるとともに、近代以降は国家や地域の経済が外部の輸入に依存せず独立している状態(アウタルキー)を示す専門用語としても用いられてきました。
現在ではより身近になり、個人の豊かなライフスタイルを表す言葉として広く一般に定着しています。
使い方・例文
「自給自足」は、生活に必要な食糧やエネルギーを自らの手で生産し、外部のシステムに依存せずに暮らす場面で使われます。
- 山間部に移住し、野菜を作りながら自給自足の生活を送る。
- 太陽光パネルを設置し、家庭の電力を自給自足でまかなう。
- 趣味の家庭菜園が本格化し、今では夏野菜を自給自足している。
類義語・関連語
「自給自足」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 自活(じかつ):
他人の厄介にならず、自分の力だけで生活していくこと。 - 独立独歩(どくりつどっぽ):
他人に頼らず、自分の信じる道を自分の力で進むこと。 - 地産地消(ちさんちしょう):
地域で生産された農産物などを、その地域内で消費すること。コミュニティ単位での自給の取り組みを指します。
英語表現
self-sufficient
意味:自給自足できる、自立した。(個人や地域の状態を表す際によく使われる形容詞)
- 例文:
They live a self-sufficient life in the country.
彼らは田舎で自給自足の生活を送っている。
self-sufficiency
意味:自給自足、自立。(名詞形)
- 例文:
The island achieved total self-sufficiency in energy.
その島はエネルギーの完全な自給自足を達成した。
現代の新しい自立の形「半農半X」
かつて「自給自足」といえば、山奥で文明の利器を一切使わずに暮らすような、ハードルの高いサバイバル生活のイメージがありました。
しかし近年では、より柔軟な「半農半X(エックス)」というライフスタイルが注目を集めています。
1995年に塩見直紀氏が提唱したコンセプトで、食べる分の食糧を小さな農業でまかないながら、残りの時間は「X=自分の天職や得意な仕事(ライター、デザイン、地域活動など)」に費やしてやりがいと一定の収入を得る生き方です。
すべてを自力で完結させるのではなく、社会とのつながりを保ちながら、生活の基盤だけは自らの手で握る。
現代の自給自足の一つの答えと言えます。







コメント