一得一失

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四字熟語 故事成語
一得一失
(いっとくいっしつ)

8文字の言葉」から始まる言葉

物事には常にプラスとマイナスの両面があり、すべてが思い通りにいくことはありません。
一つの利益を得れば、同時に一つの損失も生じる。
そんな世の理を、「一得一失」(いっとくいっしつ)と言います。

意味・教訓

「一得一失」とは、一つの利益を得ると、同時に一つの損失も生じるという意味です。

「得」は利益や成功を、「失」は損失や失敗を指します。
どんなに素晴らしい計画や幸運であっても、良いことばかりが続くわけではなく、必ず何らかの欠点や負担が伴うという真理を説いています。

  • 一得(いっとく):一つの利益を得ること。
  • 一失(いっしつ):一つの損失を出すこと。

語源・由来

「一得一失」の語源は、古代中国の歴史書や思想的な背景にあります。

特定の誰かが考案したというよりも、「万物には必ず表と裏がある」という普遍的な知恵が言葉として定着したものです。
北宋時代の歴史を記した『宋史』などの文献においても、政治的な議論の中で「利益があれば必ず損失もある(一得あれば一失あり)」といった表現が登場します。

この言葉は、目先の成功に浮かれすぎず、物事の全体像を冷静に見極めるための教訓として、長い間語り継がれてきました。

使い方・例文

「一得一失」は、何かを選んだ結果として生じた「良い面」と「悪い面」の両方を表現する際に使われます。
個人の生活から社会的な出来事まで、損得が絡むあらゆる場面で用いられる言葉です。

例文

  • 昇進して給料が増えたのは嬉しいが、責任が重くなり帰宅が遅くなったのはまさに「一得一失」だ。
  • 冬場の床暖房は足元から暖まって快適だが、光熱費が跳ね上がるのは一得一失と言える。
  • 「ペットとの暮らしは癒やされるけれど、旅行に行きづらくなるのも一得一失ね」と姉が言った。

類義語・関連語

「一得一失」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 一長一短(いっちょういったん):
    良いところもあるが、悪いところもあるということ。
  • 一利一害(いちりいちがい):
    利益がある一方で、それと同じくらいに害もあるということ。
  • 光あれば影あり(ひかりあればかげあり):
    栄光や幸福の裏には、必ず苦労や不幸が潜んでいるということ。

対義語

「一得一失」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 一挙両得(いっきょりょうとく):
    一つの行動で、二つの利益を同時に手に入れること。
  • 一石二鳥(いっせきにちょう):
    一つの労力で二つの目的を果たすこと。

英語表現

「一得一失」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズが使われます。

You win some, you lose some.

「得るものもあれば、失うものもある」
直訳:「いくつかに勝ち、いくつかに負ける」という意味です。
人生において常に勝つことは不可能であり、損失は避けられないものだという状況で非常によく使われる表現です。

  • 例文:
    I failed the audition but learned a lot. You win some, you lose some.
    オーディションには落ちたが多くのことを学んだ。一得一失というものだ。

Every medal has its reverse.

「どのような物事にも裏面がある」
直訳:「すべてのメダルにはその裏側がある」という意味です。
一見輝かしい成功であっても、必ず反対の側面(代償や欠点)が存在することを指す格言です。

  • 例文:
    Fame brings wealth, but every medal has its reverse.
    名声は富をもたらすが、一得一失(物事には裏面がある)という側面もある。

知っておきたい豆知識:一長一短との使い分け

「一得一失」とよく混同される言葉に「一長一短」がありますが、これらには明確な使い分けの基準があります。

「一長一短」は、その人や物がもともと持っている「性質」や「長所・短所」に注目します。
(例:この靴はデザインは良いが、履きにくいのが欠点だ)

一方で「一得一失」は、ある行動や出来事の結果として生じた「損得」や「利害」に注目します。
(例:宝くじが当たって金運は上がったが、人間関係で悩むようになった)

「性質の話」なのか「損得の結果の話」なのかを意識することで、より適切な言葉選びができるようになります。

まとめ

私たちの人生において、すべてがプラスだけで完結することは稀です。
「一得一失」(いっとくいっしつ)という言葉が教えるように、何かを手に入れるとき、私たちは知らず知らずのうちに何かを差し出しているのかもしれません。

しかし、この言葉の真意は、失うことを恐れることではありません。
「良いことの裏には苦労があり、苦労の裏には必ず得られるものがある」と知ることで、どのような状況でも揺るがない強さを手に入れることにあります。
損得の両面を静かに見つめる視点を持つことで、日常の選択はより豊かで納得のいくものになることでしょう。

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