故事成語 四字熟語

一挙両得

(いっきょりょうとく)

一つの行動によって、同時に二つの利益や良い結果を手に入れること。


9文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
一挙両得 ことば
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意味

一挙両得(いっきょりょうとく)は、一つの行動によって同時に二つの利益を得るという意味です。

  • 一挙:一つの動作、一つの企て。
  • 両得:二つの利益を得ること。

語源・由来

古い例は、後漢の歴史書『東観漢記とうかんかんき』に見える「一挙而両得」という形です。
四字の形では、『晋書』の「束皙伝そくせきでん」にある次の記述がよく知られています。

官吏の束皙が皇帝に農業政策を上奏した際、魏の時代に陽平ようへい・頓丘とんきゅうの地へ移された三郡の住民の子孫を西方の辺境へ戻し、十年間の賦役免除を与えるよう提案しました。
辺境を充実させると同時に、手狭になった土地の人々にゆとりを与えられるとして、この策を「一挙両得」と述べています。

使い方・例文

「一挙両得」は、一度の行動で二つの目的を達成した場面や、効率の良さを評価する場面で使われます。

  • 通勤中の学習は移動時間を活かせる一挙両得の習慣だ。
  • システム導入によりコスト削減と効率化の一挙両得を図る。
  • 散歩は体力作りと気分転換の一挙両得になる。

類義語・関連語

「一挙両得」と似た意味を持つ言葉には以下があります。

  • 一石二鳥(いっせきにちょう):
    一つの石を投げて二羽の鳥を落とすことから、一つの行動で二つの利益を得ること。
  • 一挙両全(いっきょりょうぜん):
    一つの行動で二つの物事を完全に成し遂げること。
  • 一箭双雕(いっせんそうちょう):
    一本の矢で二羽の鷲を射落とすことから、一つの行動で二つの目的を達成すること。
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対義語

「一挙両得」と反対の意味を持つ言葉には以下があります。

  • 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):
    同時に二つのものを手に入れようと欲張ると、結局どちらも得られないという戒め。
  • 虻蜂取らず(あぶはちとらず):
    二つのものを同時に狙った結果、結局両方とも逃してしまう状態。

英語表現

Kill two birds with one stone

直訳:一つの石で二羽の鳥を殺す。
意味:一つの行動で二つの目的を果たすこと

Cycling to work kills two birds with one stone; it saves money and keeps you fit.
(自転車通勤は一挙両得です。お金の節約になるし、健康維持にもなります。)

「一挙両得」より古い、『史記』卞荘子の虎退治

「一挙両得」は『晋書』束皙伝に由来する言葉ですが、一度の行動で二つを得るという話は、より古い『史記』張儀ちょうぎ列伝にも出てきます。
韓と魏が一年たっても戦いをやめないとき、秦の恵王から助けに入るべきかを問われた陳軫ちんしんが語った、卞荘子べんそうしの虎退治の話です。

卞荘子が虎を刺そうとすると、宿の若い召使いが止めました。
二頭の虎は牛を食べれば必ず奪い合って争い、大きい虎は傷つき小さい虎は死ぬので、そこで傷ついた虎を刺せば、ひと突きで二頭の虎を仕留めたという名が得られる、というのです。
卞荘子が待っていると虎は本当に争い、卞荘子は傷ついた虎を刺して二頭分の手柄を立てました。

陳軫は、戦い続ける韓と魏も大国は傷つき小国は滅びるので、傷ついたところを討てば一度の出兵で二つの実利が得られると説きました。
恵王は助けに入らず、その後、秦は兵を出して大勝しています。

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