老いては益々壮んなるべし

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ことわざ
老いては益々壮んなるべし
(おいてはますますさかんなるべし)
異形:老いて益々壮なるべし/老いてますます壮んなり

15文字の言葉」から始まる言葉
老いては益々壮んなるべし 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

定年退職を迎えてから、かつての夢だった海外留学に挑戦したり、未経験のITスキルを学んでボランティアに励んだりする人がいます。
周囲が「隠居してゆっくりすればいいのに」と驚くのをよそに、年齢を重ねるごとに新しいことへの情熱を燃やし、若々しく活動する。
そんな、歳をとっても衰えるどころか、ますます意気盛んな様子を、
「老いては益々壮んなるべし」(おいてはますますさかんなるべし)と言います。

意味・教訓

「老いては益々壮んなるべし」とは、人は歳をとればとるほど、ますます意気盛んでなければならないという意味です。

単に「元気なお年寄り」を指す言葉ではなく、年齢を重ねても志を高く持ち続け、精神的に成長し続けるべきだという積極的な教訓が含まれています。

語源・由来

「老いては益々壮んなるべし」の由来は、中国の歴史書『後漢書』に記された後漢の将軍、馬援(ばえん)の言葉にあります。

名将として知られた馬援は、老境に入ってもなお「男たるもの、窮すれば当(まさ)に益々堅(かた)くなるべし、老いれば当に益々壮(さか)んなるべし」と語り、厳しい状況や老いに屈しない姿勢を示しました。
彼はこの言葉通り、60歳を過ぎても自ら志願して戦場へ赴き、最前線で指揮を執り続けました。

この逸話から、年齢を理由に情熱を失わず、むしろ磨きをかけていく力強い生き方を称える言葉として定着しました。

使い方・例文

「老いては益々壮んなるべし」は、現役を退いた世代が新たな分野で活躍している場面や、高齢になっても高い志を持って挑戦し続けている人を称賛する文脈で使われます。

例文

  • 80歳を過ぎてからスマートフォンアプリを開発した彼女は、まさに「老いては益々壮んなるべし」を体現している。
  • 老いては益々壮んなるべし」という言葉を胸に、定年後から地域活性化のリーダーとして活動しています。
  • 祖父は毎朝欠かさずジョギングをしており、「老いては益々壮んなるべし」の通り、私たち孫よりも元気だ。

誤用・注意点

「老いては益々壮んなるべし」は非常にポジティブな言葉ですが、使う相手や状況には注意が必要です。

この言葉には「老いては〜(なければならない)」という教訓のニュアンスが含まれているため、本人が若々しさを自負している場合に、他人から「老いている」という事実を強調されると不快に感じる可能性があります。
目上の人に対しては、直接的な評価として使うよりも「素晴らしいお手本です」といった敬意を添えるのが無難です。

類義語・関連語

「老いては益々壮んなるべし」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 老当益壮(ろうとうえきそう):
    歳をとればとるほど、気力も意欲も充実してくること。
  • 矍鑠(かくしゃく):
    年をとっても心身ともに丈夫で、元気に活動している様子。
  • 枯れ木に花(かれきにはな):
    衰えたものが再び勢いを取り戻すことや、晩年になって幸運が舞い込むこと。

対義語

「老いては益々壮んなるべし」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 老いては子に従え(おいてはこにしたがえ):
    歳をとったら、強情を張らずに何事も子供に任せて従うのがよいという考え。
  • 枯れ木に花は咲かぬ(かれきにはなはさかぬ):
    一度衰えてしまったものは、二度と元の勢いを取り戻すことはできないということ。

英語表現

「老いては益々壮んなるべし」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズがあります。

A green old age

「緑の(瑞々しい)老い」
歳をとっても心身ともに元気で、活力に満ちている状態を指します。

  • 例文:
    My grandmother is enjoying a green old age by volunteering at the library.
    祖母は図書館でボランティアをしながら、若々しい老後を楽しんでいる。

There is many a good tune played on an old fiddle

「古いバイオリンでも良い曲はたくさん弾ける」
古い楽器(=老人)であっても、優れた技術や精神(=良い曲)を持っているという意味の諺です。

  • 例文:
    Don’t underestimate him; there is many a good tune played on an old fiddle.
    彼を軽んじてはいけない。古いバイオリンでも素晴らしい名曲が奏でられるものだ。

馬援が残したもう一つの言葉

「老いては益々壮んなるべし」の語源となった馬援将軍には、もう一つ現代でも親しまれている言葉のきっかけを作ったエピソードがあります。

馬援が60歳を過ぎてなお、自ら馬に飛び乗り、鎧を着こなして戦う準備を整えた勇姿を見て、皇帝である光武帝が「矍鑠たるかな、この翁(おきな)」と感嘆しました。
これが、元気なお年寄りを形容する「矍鑠(かくしゃく)」という言葉の由来です。

一つの逸話から、現代の日本語に深く根ざした二つのポジティブな表現が生まれた事実は、当時の人々に彼がいかに大きな感銘を与えたかを物語っています。

まとめ

「老いては益々壮んなるべし」という言葉は、私たちに「年齢は挑戦を諦める理由にはならない」という勇気を与えてくれます。
体力の衰えは自然なことですが、志や情熱までもが衰える必要はありません。

この言葉を知ることで、自分自身の将来を前向きに捉えたり、人生の先輩たちの活躍を心から称賛したりするきっかけになることでしょう。

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