意味
「生一本(きいっぽん)」とは、純粋で混じりけがないこと、また、物事にひたむきで純真な気質であることを指します。
もともとは酒の品質を表す言葉でしたが、そこから転じて、邪念がなく、一つのことに一途(いちず)な人の性格や生き方を称える際にも使われます。
ごまかしのない誠実さを肯定的に評価する言葉です。
語源・由来
「生一本」は、純粋でまじりけがないことを表す言葉で、多く酒について使われてきました。
「生(き)」は、手を加えていない、そのままの状態を表します。
そこに他と混ざらないことを示す「一本」が付いて、混じりけのない酒を言う言葉になりました。
これが転じて、まっすぐで裏表のない人の気性も言うようになりました。
使い方・例文
打算的な考えを持たず、誠実に物事に取り組む人を評価するときや、自分の信念を曲げない姿勢を言うときに使われます。
職人のこだわりや、子供のような純粋な心も表せます。
例文
- 彼は三十年間、一度も妥協することなく伝統の味を守り続けている生一本な職人だ。
- 誰に対しても裏表のない彼女の生一本な性格は、近所の人々からも深く信頼されている。
- 利益より客に喜んでもらうことを第一に考える、生一本な商売を貫いている。
- 彼の生一本な思いに触れ、反対していた人々も次第に協力を申し出た。
誤用・注意点
「生一本」は基本的に優れた気質を褒める言葉ですが、使い方によっては気をつけたい点もあります。
- 褒め言葉としての活用:
純粋さや誠実さを褒めるときに使います。 - 「融通が利かない」との違い:
あまりに正直すぎて周りが見えない状況を指すこともありますが、その根底には「悪意のなさ」があるため、単純な「頑固」とはニュアンスが異なります。
また、「なまいっぽん」と読むのは誤りで、正しくは「きいっぽん」です。
「生真面目(きまじめ)」の「生(き)」と同じ読み方です。
類義語・関連語
「生一本」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 一本気(いっぽんぎ):
一つのことに集中し、他のことには目もくれない性質。 - 純真(じゅんしん):
心に汚れがなく、ありのままの清らかな様子。 - 愚直(ぐちょく):
正直すぎて、融通がきかないこと。 - 生真面目(きまじめ):
非常に真面目で、冗談が通じないほど誠実なこと。
対義語
「生一本」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 狡猾(こうかつ):
ずる賢く、自分の利益のために人を欺くこと。 - 表裏(ひょうり):
外面と内心とが違うこと。 - 不純(ふじゅん):
他のものが混じっていて、純粋でないこと。
英語表現
「生一本」を英語で表現する場合、正直さや誠実さに焦点を当てた言葉が使われます。
Straightforward
「真っ直ぐな」「正直な」
遠回しな言い方をせず、誠実で分かりやすい性格を指す際に最も一般的な表現です。
He is known for his straightforward personality.
(彼は生一本な性格で知られている。)
Sincere
「誠実な」「心からの」
偽りがなく、真心がこもっている様子を表します。
I admire her sincere devotion to her work.
(彼女の仕事に対する生一本な献身ぶりには感服する。)
生一本を名乗れるのは単一の製造場の純米酒だけ
日本酒のラベルで「純米生一本」という表記を見かけることがありますが、これには国税庁が定める「清酒の製法品質表示基準」という基準があります。
この基準では、一つの製造場のみで醸造された純米酒に限って「生一本」という名称を使うことが認められています。
自社で造った酒であっても、複数の製造場の酒をブレンドした場合は名乗れません。










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