慣用句 三字熟語

風雲児

(ふううんじ)

社会の激変期にチャンスを掴み、一躍有名になる人物。


5文字の言葉ふ・ぶ・ぷ」から始まる言葉
風雲児 ことば
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意味

「風雲児」とは、社会の激変するチャンスに乗じて活躍し、一躍有名になる人物のことです。

  • 風雲(ふううん):竜が雲を得て天に昇るように、大きな変化が起こる情勢や、成功のための絶好の機会。
  • (じ):若者、または特定の性質を備えた人。

単に実力があるだけでなく、時代の流れを敏感に察知し、その波に乗って一気に駆け上がるエネルギーを持つ人を指します。

語源・由来

「風雲児」の語源は、古代中国の「雲は竜に従い、風は虎に従う」という考え方に由来します。

竜が雲を呼び寄せて天へ昇る姿は、優れた人物が絶好の機会(風雲)を掴んで、一気に高い地位や名声を得る象徴とされました。
「風雲児」という語は、島崎藤村の『夜明け前』(1932〜35年)に「一代の風雲児と謳はれた彼」と出てきます。
現代では、既存の枠組みを壊して新しい時代を創るような、勢いのある人物に使われます。

特定の事件から生まれた言葉ではなく、動乱期に現れる傑出した人物を称える比喩表現として定着しました。

使い方・例文

時代の転換期や、新しい分野で急成長を遂げる人物を形容する際に使われます。
閉塞感を打破するような、ポジティブな勢いのある文脈で用いられるのが一般的です。

例文

  • 彼は業界の風雲児として、古い商慣習を次々と塗り替えた。
  • 幕末の動乱期には、坂本龍馬のような多くの風雲児が活躍した。
  • 無名校を全国大会へと導いた主将は、まさに高校ラグビー界の風雲児だ。
  • 彗星のごとく現れた新入生が、部活動に新しい風を吹き込む風雲児となった。

類義語・関連語

「風雲児」と似た意味を持つ言葉には、時代の勢いを強調する表現があります。

  • 時代の寵児(じだいちょうじ):
    その時代に最も適した才能を持ち、世間から非常にもてはやされる人。
  • 革命児(かくめいじ):
    既存の制度や習慣を根本から変えるような、画期的な行動をする人。
  • 麒麟児(きりんじ):
    将来が非常に期待される、優れた才能を持った少年。

「風雲児」は社会の混乱や変化という背景が強調されますが、「時代の寵児」は世間からの人気や時代の象徴であることに重点が置かれます。

対義語

「風雲児」とは対照的な意味を持つ言葉は、平凡さや変化を拒む姿勢を表すものになります。

  • 凡夫(ぼんぷ):
    特に優れた才能や知恵を持たない、ごく普通の人。
  • 守旧派(しゅきゅうは):
    新しい変化を拒み、古い習慣や制度をそのまま守ろうとする人々。

英語表現

「風雲児」を英語で表現する場合、その時の主役や運命に選ばれた人といったニュアンスが使われます。

Man of the hour

「今この時の男」や「時の人」という意味。
社会的な注目を集め、その瞬間の中心にいる人物を指します。

He is the man of the hour in the tech industry.
(彼はIT業界の風雲児だ。)

Favorite of fortune

「運命の寵児」や「幸運児」という意味。
チャンスを完璧に掴み、時代の波に乗って成功した人物を指します。

The young general was a favorite of fortune during the revolution.
(その若き将軍は、革命期における風雲児であった。)

「雲は竜に従い、風は虎に従う」の出どころ

この言い方は『易経』けんの卦の「文言伝」にあります。
「飛竜天に在り、大人を見るに利あり」という九五きゅうごこうを、孔子が解いた形になっている箇所です。

「同声相応じ、同気相求む。水は湿に流れ、火は燥にく。雲は竜に従い、風は虎に従う。聖人おこりて万物る」。

同じ性質のものは自然に引き合う、というのがここでの主題です。
竜が現れれば雲が湧き、虎が動けば風が起こる。
優れた人物が世に出るときには、それにふさわしい状況のほうが寄ってくる、という見方がこの一節から出ています。

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