意味
「一粒種(ひとつぶだね)」とは、たった一人の子供、特に親にとって大切なひとりっ子を指す言葉です。
単に人数が一人であることを示すだけでなく、親にとってかけがえのない、代わりのきかない大切な存在であるというニュアンスが含まれます。
また、雑種ではない純粋の種を指すこともあります。
語源・由来
「一粒種」は、ただ一人の子を一粒の種にたとえた言葉です。
「種(たね)」には、植物の種子のほかに、血筋や血統、またそれを伝えるものとしての子という意味があります。
使い方・例文
「一粒種」は、親がその子をどれほど大切に思っているか、あるいは家系においていかに重要な立場にあるかを説明する際に使われます。
基本的には親愛の情を込めて使われます。
- 彼は両親にとって、目に入れても痛くない一粒種だ。
- 先祖代々続くこの旅館を、一粒種の彼が継ぐことになった。
- 遠く離れて暮らす一粒種からの便りが、彼女の唯一の楽しみだ。
類義語・関連語
「一粒種」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 独り子(ひとりご):
他に兄弟姉妹がいない、ただ一人の子供。 - 掌中の珠(しょうちゅうのたま):
手の中にある宝石のように、非常に大切にしているもののたとえ。 - 一子(いっし):
ただ一人の子供。
対義語
「一粒種」とは対照的な状況を示す言葉は、以下の通りです。
- 子沢山(こだくさん):
子供の数が多いこと、またはその様子。
英語表現
「一粒種」を英語で表現する場合、以下の言い方があります。
an only child
「唯一の子供(一人っ子)」
兄弟がいないという事実を客観的に示す、最も一般的な表現です。
He was raised with great care as an only child.
(彼は一粒種として、大切に育てられた。)
the apple of one’s eye
「非常に愛惜しているもの」
「一粒種」に含まれる「非常に大切にされている」というニュアンスを強調する場合に適しています。
His only daughter is the apple of his eye.
(彼の一粒種の娘は、彼にとって目に入れても痛くない存在だ。)
怪談牡丹灯籠のお露は、飯島家の一粒種
三遊亭円朝の『怪談牡丹灯籠』(1884年)では、飯島平左衛門の娘お露が、両親にとっての一粒種として語られます。
御両親は掌中の璧と愛で慈しみ、後にお子供が出来ませず、一粒種の事なれば猶さらに撫育される中
(三遊亭円朝『怪談牡丹灯籠』1884年)
その後に子が生まれなかったため、ただ一人の娘としていっそう大切に育てられたという場面です。
このように「一粒種」は、息子だけでなく娘についても使われます。
「掌中の璧」は、類義語に挙げた「掌中の珠」と同じく、手の中の宝玉のように大切にすることを表しています。









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