破れ鍋に綴じ蓋

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ことわざ
破れ鍋に綴じ蓋
(われなべにとじぶた)
異形:割れ鍋に綴じ蓋

9文字の言葉」から始まる言葉
破れ鍋に綴じ蓋 意味・使い方

はたから見れば欠点ばかりに見える二人でも、当人同士はなぜか不思議と馬が合い、仲良くやっていることがあります。
そんなふうに、欠点のある者同士がうまく釣り合っている様子や、どんな人にもふさわしい相手がいることを、「破れ鍋に綴じ蓋」(われなべにとじぶた)と言います。

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意味・教訓

「破れ鍋に綴じ蓋」とは、どんな人にも必ずふさわしい伴侶が見つかるということ、また、欠点のある者同士がうまく釣り合っている夫婦の様子をたとえたことわざです。

完璧な人間がいないように、誰しも欠点を持っています。
しかし、その欠点を含めて妙にウマが合い、互いに補い合って調和している関係性の面白さを表しています。

語源・由来

「破れ鍋に綴じ蓋」は、江戸いろはかるたの「わ」の札として広く知られたことわざです。

文献上の初出は、俳諧論書『毛吹草』(松江重頼編、1645年刊)に収録されたことわざの記録に遡ります。
「破れ鍋(割れ鍋)」は欠けたりひびが入ったりした鍋のこと、「綴じ蓋」は壊れた部分を修繕した蓋のことです。
そのような不完全な鍋にもぴったり合う蓋があるという観察が、人の釣り合いをたとえる言葉として定着しました。

使い方・例文

「破れ鍋に綴じ蓋」は、夫婦やカップルが似た者同士で釣り合っている場面で使われます。
基本的には謙遜や、第三者が少しからかいのニュアンスを込めて使う言葉です。

  • 喧嘩ばかりしているのに絶対に別れないあの夫婦は、まさに破れ鍋に綴じ蓋だ。
  • 「私たちのような不器用な夫婦は、破れ鍋に綴じ蓋でちょうどいいのよ」と祖母は笑った。

誤用・注意点

結婚式のスピーチでの使用はNG

「破れ鍋に綴じ蓋」の「破れ」や「綴じ(修理した)」という言葉には、明確にマイナスのニュアンス(欠点のある者同士)が含まれています。
そのため、結婚式のスピーチなどで「お二人は破れ鍋に綴じ蓋ですね」とお祝いや褒め言葉として使うのは明らかな誤用であり、大変失礼な表現となります。
あくまで身内への謙遜か、親しい間柄での冗談にとどめてください。

「閉じ蓋」は漢字の誤用

「とじぶた」を「閉じ蓋」と書くのは漢字の間違いです。「綴じる(とじる)」には「縫い合わせる・つなぎ合わせる」という意味があり、修理してつなぎ合わせた蓋であることを表しているため、正しくは「綴じ蓋」と表記します。

類義語・関連語

「破れ鍋に綴じ蓋」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 似た者夫婦(にたものふうふ)
    夫婦は一緒に暮らしているうちに性質や好みが似てくるということ。
    また、もともと似た者同士が夫婦になるということ。
  • 牛は牛連れ、馬は馬連れ(うしはうしづれ、うまはうまづれ)
    似た者同士や同類の者は自然と集まりやすく、また一緒に行動すれば釣り合いが取れてうまくいくというたとえ。

対義語

「破れ鍋に綴じ蓋」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。

  • 月とスッポン(つきとすっぽん)
    二つのものが比較にならないほどかけ離れており、全く釣り合わないことのたとえ。
  • 提灯に釣鐘(ちょうちんにつりがね)
    形は似ていても、重さや価値が全く違い、釣り合いが取れないことのたとえ。

英語表現

「破れ鍋に綴じ蓋」を英語で表現する場合、以下のフレーズがよく使われます。

Every Jack has his Jill.

直訳:どんなジャックにも彼のジルがいる。
意味:どんな男性にもふさわしい女性がいる。誰にでも似合いの配偶者が見つかるということ。

  • 例文:
    Don’t worry about finding someone. Every Jack has his Jill.
    相手が見つかるかどうかなんて心配しなくていいよ。破れ鍋に綴じ蓋って言うじゃないか。

Every pot has its cover.

直訳:どんな鍋にもそれ用の蓋がある。
意味:日本語の「破れ鍋に綴じ蓋」と全く同じ発想で、どんな人にもふさわしい伴侶がいるという意味。(※ Every pot has its lid. とも表現されます)

  • 例文:
    They are so different, but every pot has its cover.
    彼らは全然違うタイプだけど、破れ鍋に綴じ蓋だね。

「割れ鍋」も「破れ鍋」も意味は同じ

このことわざは「割れ鍋(われなべ)に綴じ蓋」と読まれたり書かれたりすることも多いですが、辞書的な見出し語としては「破れ鍋(われなべ)」とするのが一般的です。

現代の感覚では、金属や土でできた鍋が「破れる」というのは少し不自然に感じます。
しかし、古語の「破れる(やぶれる・われる)」には、布や紙だけでなく、器物や陶器が「壊れる、割れる、欠ける」という意味が広く含まれていました。

現在では「割れ鍋」と書いても間違いではありませんが、「破れ鍋」という表記には、言葉が生まれた時代の古い感覚がそのまま残されているのです。

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