白い目で見る

慣用句
白い目で見る(しろいめでみる)

7文字の言葉し・じ」から始まる言葉
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「あの人、なんだか白い目で見られているみたい…」
そんな会話を耳にしたことはありませんか。

あるいは、あなた自身が誰かに対して、冷たい視線を向けてしまった経験があるかもしれません。

この「白い目で見る」という表現は、日常会話や物語の中でもしばしば登場しますが、具体的にどのような意味を持ち、どのような時に使われるのでしょうか。

この記事では、「白い目で見る」の意味や由来、使い方、そして似た言葉や反対の言葉などを分かりやすく解説していきます。

「白い目で見る」の意味

「白い目で見る」とは、相手に対して冷たい態度をとったり、敵意や非難、不信感のこもった視線を向けたりすることを意味する慣用句です。

好意的ではない、むしろ否定的な感情を持って相手を見ている状態を表します。

なぜ「白い目」なのでしょうか。
これは、人の瞳の黒目の部分ではなく、感情が読み取りにくい白目の部分を相手に向けるような、冷ややかで人間味のない視線をイメージさせるためと言われています。
情熱や温かみを表す「赤」とは対照的に、「白」が持つ「冷たさ」や「空虚さ」といったイメージも、この表現の背景にあると考えられます。

「白い目で見る」の語源 – 由来を探る

「白い目で見る」の明確な語源は定かではありませんが、いくつかの説があります。

有力なのは、前述の通り、感情のこもらない「白目」を向けるような冷たい視線から来ているとする説です。
人を正面から見ずに、横目で見たり、冷ややかに見たりする際の、白目の部分が目立つ様子を捉えたものと考えられます。

また、「白」という色が持つ「冷淡さ」「無関心」「非情さ」といったイメージから、冷たい視線を「白い目」と表現するようになったという説もあります。

特定の故事成語や歴史的な出来事に直接由来するわけではなく、人々の感覚的なイメージから生まれた表現と言えるでしょう。

「白い目で見る」が使われる場面と例文

この表現は、誰かの言動を非難したり、疑いの目を向けたり、仲間外れにするような、ネガティブな状況で使われることが一般的です。

例えば、不正行為が明らかになった人、場の空気を読まない発言をする人、約束を何度も破る人などが、周囲から「白い目で見られる」ことがあります。

単に「見る」だけでなく、そこには冷淡さ、非難、軽蔑、不信感といった感情が含まれています。

例文

  • 度重なる遅刻に、同僚たちは彼を白い目で見始めた。
  • 会議で自分勝手な意見ばかり主張したため、彼は上司から白い目で見られてしまった。
  • 噂話を鵜呑みにし、彼女のことを白い目で見るのは良くない。
  • 不正が明らかになった後、彼は地域住民から白い目で見られるようになった。

「白い目で見る」の類義語 – 似ている表現

「白い目で見る」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、ニュアンスが少しずつ異なります。

  • 冷眼視(れいがんし):物事を冷静に、または冷ややかに見ること。客観的な観察というニュアンスも含む場合がある。
  • 疎んじる(うとんじる):よそよそしく扱う、距離を置くこと。視線だけでなく、態度全体を表す。
  • 爪弾き(つまはじき):仲間外れにすること、排斥すること。視線を送るだけでなく、具体的な行動が伴うことが多い。
  • 冷たい視線を送る: 「白い目で見る」をより直接的に言い換えた表現。
  • 色眼鏡で見る: 偏見や先入観を持って相手を見ること。「白い目」が冷たさや非難であるのに対し、こちらは特定のフィルターを通して見るニュアンス。

「白い目で見る」の対義語 – 反対の意味の表現

「白い目で見る」とは反対に、温かい気持ちや好意を持って相手を見る表現もあります。

  • 温かい目で見る:愛情や好意、寛容な心を持って相手を見守ること。成長や更生を期待するニュアンスも含む。
  • 大目に見る(おおめにみる):小さな欠点や過ちを厳しく咎めず、見逃してやること。寛容さを示す表現。
  • 好意的に見る:相手に対して良い感情や評価を持って見ること。
  • 贔屓目に見る(ひいきめにみる):特定の人を特に気に入って、甘く見たり、優遇したりすること。公平さとは異なる視点。
    ※ 温かい視線や寛容な態度を表すこれらの言葉は、冷淡さや非難を含む「白い目で見る」とは正反対の状況で使われる。

「白い目で見る」の英語での類似表現

英語で「白い目で見る」のニュアンスに近い表現を探してみましょう。

  • look askance at someone
    意味:〜を疑いの目で見る、〜を横目で見る、〜を非難するように見る。「askance」は「横目で、疑って」という意味の副詞。不信感や不賛成の気持ちを表す際によく使われる。
  • give someone the cold shoulder
    意味:(人)を冷たくあしらう、〜によそよそしい態度をとる。視線だけでなく、意図的に冷淡な態度をとることを指す。
  • look daggers at someone
    意味:(人)を憎しみを込めて睨みつける。「dagger」は短剣を意味し、突き刺すような鋭い敵意のこもった視線を表す。 「白い目で見る」よりも強い憎悪が込められていることが多い。

これらの表現は、「白い目で見る」が持つ「冷たさ」「非難」「不信感」といった要素の一部を捉えていますが、完全に一致するものではありません。
文脈に合わせて使い分ける必要があります。

まとめ – 「白い目で見る」から考える人間関係

「白い目で見る」は、相手に対する冷たさや非難、不信感を表す慣用句です。
その語源ははっきりしないものの、「白」という色のイメージや、感情の読み取れない白目を向ける様子から来ていると考えられています。

誰かを「白い目で見る」ことは、時としてその人の行動に対する社会的な評価や警鐘を示すこともありますが、多くの場合、人間関係に溝を生む原因となります。

この言葉に触れたとき、自分が誰かに冷たい視線を向けていないか、あるいは誰かからそのような視線を向けられていないか、少し立ち止まって考えてみるのも良いかもしれません。
他者への接し方や、周囲との関係性を見つめ直すきっかけを与えてくれる言葉とも言えるでしょう。

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