意味
「箸にも棒にもかからない(はしにもぼうにもかからない)」は、細かな手段でも強引な手段でも対処のしようがないという意味です。
転じて、何の取り柄もなく全く役に立たないことのたとえとして用いられます。
語源・由来
小さなものを扱うための「箸」と、大きなものを扱うための「棒」という、対照的な二つの道具のどちらを用いても引っかからない(扱うことができない)という物理的な状態から、手の施しようがない様子を表す比喩として定着しました。
古い打ち消しの形を使った「箸にも棒にも掛からぬ」の形でも言います。
また、「棒にも」を省いた「箸にも掛からぬ」という短い形もあります。
使い方・例文
「箸にも棒にもかからない」は、対処法が見つからない事態や、能力の低さを酷評する場面で使われます。
- 注意しても直らない、箸にも棒にもかからない奴だ。
- 問題が難解すぎて、僕では箸にも棒にもかからない。
類義語・関連語
「箸にも棒にもかからない」と似た意味を持つ言葉には、以下のものがあります。
- 百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし):
弊害ばかりが多く、利益となることが一つもないこと。 - 手の施しようがない(てのほどこしようがない):
事態が極めて悪化し、回復や解決のための手段が全く残されていない状態。
対義語
「箸にも棒にもかからない」と反対の意味を持つ言葉には、以下のものがあります。
- 一騎当千(いっきとうせん):
一人の人間が千人の敵を相手にできるほど、並外れて優れた能力を持っていること。 - 粒選り(つぶより):
数多くあるものの中から、特に優れたものだけを選び抜くこと。 - 万能(ばんのう):
あらゆる物事に優れており、どのような目的に対しても非常に役立つ状態。
英語表現
good-for-nothing
意味:何の役にも立たない人や物
He is a good-for-nothing fellow.
(彼は箸にも棒にもかからない男です。)
hopeless
意味:改善の余地がなく救いようのない状態
As a cook, I’m completely hopeless.
(料理に関して、私は箸にも棒にもかからない状態です。)
1735年の浮世草子に「箸にも掛からぬ」
江島其磧の浮世草子『渡世身持談義』(享保20年=1735年)に、短い形の「箸にも掛からぬ」が出てきます。
遊郭の遣手(遊女を取り仕切る女)の久米が、お金を大事にせよと説く者たちに言い返す場面です。
久米は、客が金持ちだからこそ「箸にも掛からぬ抜作の一番子達」でも賢いとおだてて相手をするのだ、と言います。
(どうにも取り柄のない、間抜けな長男たち、という意味です。)
取り柄のない人をけなす今の使い方が、1735年の時点でもうあったことになります。









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