四字熟語

一騎当千

(いっきとうせん)

一人で千人の敵を相手にできるほど強いこと、能力が突出していること。


7文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
一騎当千 ことば
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意味

「一騎当千(いっきとうせん)」とは、一人の武者が千人の敵兵に匹敵するほどの強さを備えているという意味です。
転じて、一人で大勢を相手にできるほどの人並み外れた能力や技術を持つ人物を指します。

  • 一騎:馬に乗った一人の武者。
  • 当千:千人に匹敵すること。千人を相手にすること。

語源・由来

もとは中国由来の「一人当千」という表現が下敷きになっています。
「一人当千」は、636年に成立した中国の歴史書『北斉書』に、唐邕(とうよう)という将を「唐邕強幹、一人当千」と称えた場面として登場するほか、仏教の書物にも古くから使われていました。
日本では『日本書紀』巻二十四に「一人当千、三成を謂ふか」とあり、『将門記』(940年頃か)にも「将門が一人当千の兵有て」と見えます。
鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』にも「一人当千」と見えます。
室町時代に完成した『太平記』になると「一騎当千」の形が多く使われるようになりました。

使い方・例文

現代では武勇に限らず、スポーツ、ビジネス、学問など、あらゆる分野で突出した能力や実績を持つエース級の人材を称賛する際に使われます。

  • 彼は一騎当千の働きで、チームを逆転勝利に導いた。
  • 我が社の営業部には一騎当千のベテランが揃っている。
  • 一騎当千の強者たちが次々と大会に名乗りを上げた。

類義語・関連語

「一騎当千」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 一人当千(いちにんとうせん):
    一人で千人の敵に当たるほど強いこと。「一騎当千」とほぼ同義の表現です。
  • 万夫不当(ばんぷふとう):
    大勢の男たちが束になってかかっても敵わないほど強いこと。
  • 天下無双(てんかむそう):
    世の中に並ぶ者がいないほど優れていること。
  • 獅子奮迅(ししふんじん):
    獅子が奮い立って猛進するように、激しい勢いで奮闘するさま。
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対義語

「圧倒的な力を持つ個」である一騎当千に対し、「無力な群れ」や「平凡な多数」を表す言葉が対比として挙げられます。

英語表現

「一騎当千」を英語で表現する場合、以下のような言い方があります。

a host in oneself

意味:一人で軍勢(多人数)に匹敵する人
hostには「大群」や「軍勢」という意味があり、一人で大軍に相当する頼もしさを表します。

He is a host in himself.
(彼は一騎当千の男だ。)

a one-man army

意味:一人だけの軍隊
本来は集団で行う仕事を、一人でこなしてしまう人を指します。

She is a one-man army in the marketing department.
(彼女はマーケティング部において一騎当千の存在だ。)

『太平記』の一騎当千、32人では500騎に勝てず

「一騎当千」は、『太平記』の巻五に出てきます。

「其勢僅三十二人、是皆一騎当千の兵つわものとはいへ共、敵五百余騎に打合て、可戦様は無りけり」。
大塔宮おおとうのみやの供の兵はわずか三十二人で、みな一騎当千の兵ではあるが、五百余騎の敵を相手にしては戦いようがなかった、という場面です。

一騎当千は褒め言葉として使われていますが、この一文の主眼は、それでも五百余騎には太刀打ちできないという数の差にあります。

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