意味
「頬を染める(ほおをそめる)」とは、恥ずかしさや照れから、頬をぽっと赤らめるという意味です。
主に、人前で褒められた時の照れや、好意を寄せる相手を前にした時の初々しい感情を表現する際に使われます。
語源・由来
感情が動いた際に頬の皮膚の血流が増えて赤みを帯びるという、人間が持つ生理的な現象をそのまま言語化した言葉です。
感情の変化によって色がじわじわと広がる様子を、布などに色をつける「染める」という動作に重ね合わせて表現しています。
使い方・例文
「頬を染める」は、好意を持つ相手の前で恥じらう場面や、褒められて照れくさく感じる状況で使われます。
- 先生に作文を皆の前で褒められ、彼女は嬉しそうに頬を染めた。
- 憧れの先輩から突然声をかけられた彼は、照れて頬を染めてうつむいた。
- 自分の盛大な勘違いに気づき、恥ずかしさのあまり頬を染める。
類義語・関連語
「頬を染める」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 顔を赤らめる(かおをあからめる):
恥ずかしさや怒りなどの強い感情によって、顔全体が赤くなる様子。 - 赤面する(せきめんする):
主に恥ずかしさやきまり悪さが原因で、顔が真っ赤になる状態。 - 紅潮する(こうちょうする):
興奮や恥ずかしさなどで、顔などの皮膚が赤みを帯びること。 - 上気する(じょうきする):
興奮や熱、恥ずかしさなどで、顔に血がのぼってほてること。
対義語
「頬を染める」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 顔面蒼白(がんめんそうはく):
驚きや恐怖、病気などで、顔から血の気が引いて青白くなること。
英語表現
blush
意味:恥ずかしさや喜びなどで顔を赤らめる様子。
She blushed when he complimented her.
(彼に褒められて、彼女は頬を染めた。)
「頬を染める」、大正の小説では怒りや熱中にも
室生犀星の作品集『香炉を盗む』(1921年)には、「糸屋はみるみるうちに頰をそめながら怒り出した」という一文があります。
糸屋と呼ばれる美しい少年が、工事のトロッコに乗せてもらえないと聞いて腹を立てる場面です。
歌人の若山牧水も、短歌を解説した『牧水歌話』(1912年)で、男女が「夢中になつて頰をそめて語り合つてゐた」と書いています。
こちらは、話に夢中になって頬が赤らむ様子です。
今は照れや恥ずかしさで使うのが普通の「頬を染める」ですが、明治・大正の文章には、怒りや熱中で頬が赤くなるときに使った例もあります。











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