喉から手が出る

ことわざ 慣用句
喉から手が出る(のどからてがでる)

8文字の言葉」から始まる言葉
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「喉から手が出る」という表現を聞いたことがありますか?
何かが欲しくてたまらない、という強い気持ちを表す、少しユニークな慣用句です。

この記事では、「喉から手が出る」がどのような意味で、どんな時に使われるのか、その背景や関連する表現について分かりやすく解説していきます。

「喉から手が出る」の意味・教訓

この慣用句は、ある物や地位などが、欲しくて欲しくてたまらない様子を非常に強く表現する言葉です。
「喉から手が出るほど欲しい」という形で使われることが一般的です。

欲しいという気持ちが極度に高まり、まるで喉の中から手が出てきて、それを掴み取ろうとするかのようだ、という比喩表現です。切望している状態、渇望している心情を表します。

「喉から手が出る」の語源 – 強い欲求の表現

この言葉の正確な語源ははっきりしていませんが、一般的には、食べ物が欲しくてたまらない時に、喉から手が出て掴み取ろうとするような、生理的で強い欲求のイメージから来ていると考えられています。

実際に喉から手が出ることはありえませんが、それほどまでに何かを強く欲している、という気持ちを、この少し奇妙でインパクトのある身体的な比喩で表現したものです。強い欲望や渇望感を強調する効果があります。

「喉から手が出る」が使われる場面と例文

特定のもの、地位、情報、機会などを、非常に強く欲しがっている状況で使われます。
「~ほど欲しい」という形で使われることが多いです。

  • 欲しい物がある時:限定品のおもちゃ、憧れのブランド品、貴重なコレクションなど、どうしても手に入れたい物がある場合。
  • 地位や名誉を求める時:昇進したい、役職に就きたい、賞を取りたいなど、特定の地位や名誉を切望している場合。
  • 情報や機会を渇望する時:どうしても知りたい情報がある、またとないチャンスを掴みたいと思っている場合。

例文

  • 「あの限定版のゲームソフトは、喉から手が出るほど欲しい。」
  • 「彼は部長のポストを、喉から手が出るほど狙っているらしい。」
  • 「そのプロジェクトに参加できるチャンスは、喉から手が出るほど欲しかった。」

「喉から手が出る」の類義語・関連語

強い欲求や切望する様子を示す、似たような意味の言葉があります。

  • 垂涎の的(すいぜんのまと):よだれ(涎)を垂らすほど、あるものを非常に強く欲しがること。また、その対象物。
  • 渇望(かつぼう):喉が渇くように、心から強く願い求めること。
  • 指をくわえる:欲しいのに手に入れられず、ただ羨ましそうに見ている様子。直接的な欲求表現ではないが、関連する状況を示す。
  • 焦がれる(こがれる):思いが強く、切なくなるほどに慕ったり、欲しがったりすること。

「喉から手が出る」の対義語

欲がないことや、物事に執着しない、関心がない様子を示す言葉が対照的です。

  • 無欲恬淡(むよくてんたん):欲がなく、物事に執着せず、あっさりしているさま。
  • 馬耳東風(ばじとうふう):人の意見や批評などを聞いても、全く気にかけず、聞き流すこと。転じて、物事に関心がない様子にも使う。
  • 我関せず(われかんせず):自分には関係がないとして、関心を示さず、関わろうとしない態度。

「喉から手が出る」の英語での類似表現

英語で「喉から手が出るほど欲しい」という強い欲求を表す表現はいくつかあります。

  • be dying for something / to do something
    意味:「~が欲しくてたまらない」「~したくてたまらない」。死ぬほど欲しい、という誇張表現。
  • would give anything for something / to do something
    意味:「~のためなら何でも差し出す」。それほどまでに強く欲しがっている様子。
  • crave (for) something
    意味:「~を切望する」「渇望する」。非常に強い欲求を示す動詞。

「喉から手が出る」を使う上での注意点

「喉から手が出る」は、非常に強い欲求を表す言葉であり、やや俗っぽい響きを持つことがあります。

そのため、使う場面や相手によっては、品がない、あるいは欲深すぎるといった印象を与える可能性もあります。
特にフォーマルな場面や、目上の人に対して使う際には注意が必要です。

また、欲求の強さを誇張する表現なので、状況によっては大げさに聞こえることもあります。
その場の雰囲気や文脈に合わせて使うことが大切です。

まとめ – 手に入れたい強い気持ち

「喉から手が出る」は、何かを欲しくて欲しくてたまらない、という非常に強い欲求や切望の気持ちを表す慣用句です。

喉から手が出て掴み取ろうとするような、強烈なイメージでその渇望感を伝えます。日常会話などで耳にすることも多い表現ですが、その意味合いの強さや、やや俗な響きも理解した上で、状況に応じて適切に使いたい言葉です。
この言葉は、人間の持つ強い「欲求」という感情を、端的に、そして印象的に表現しています。

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