「あんなに平凡な両親から、どうしてあんなに優れた子が?」と驚くような状況に出会ったことはありませんか?
「鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)」は、まさにそんな、予想外の才能の誕生を表すことわざです。
今回は、「鳶が鷹を生む」の基本的な意味から、その由来、使い方、対義語や英語表現まで、分かりやすく解説していきます。
「鳶が鷹を生む」の意味・教訓
「鳶が鷹を生む」とは、平凡な親から、非常に優れた子どもが生まれることのたとえです。
「鳶(とび)」はごくありふれた鳥、「鷹(たか)」は優秀で立派な鳥の象徴として使われています。
生物学的な事実ではなく、期待されていなかった(平凡な)ところから、予想外の素晴らしい才能(優れた子)が生まれることへの驚きや喜びが込められた言葉です。
「鳶が鷹を生む」の語源
このことわざは、鳶(トビ)と鷹(タカ)という二種類の鳥の、人々に与えるイメージの違いに由来します。
- 鳶(トビ):カラスほどの大きさで、上空を「ピーヒョロロ」と鳴きながら飛ぶ、ありふれた鳥。
- 鷹(タカ):鋭い爪やくちばしで狩りを得意とする、賢く力強い鳥。古くから「鷹狩り」にも用いられ、高貴なイメージがありました。
このイメージの対比から、「平凡な鳶」から「優秀な鷹」が生まれる、という比喩表現が生まれました。
使用される場面と例文
親の才能や地位に関係なく、その子どもが優れた能力や功績を示した時に、感心や驚きをもって使われます。
例文
- 「ご両親はスポーツとは無縁だったのに、彼はオリンピック選手になった。まさに「鳶が鷹を生む」だね。」
- 「彼女の家族は音楽家ではないのに、世界的なピアニストになった。「鳶が鷹を生む」を体現している。」
- 「料理が苦手な両親のもとで育った彼が、ミシュランの星を獲得するシェフになるとは。「鳶が鷹を生む」とはこのことだ。」
類義語・言い換え表現
「鳶が鷹を生む」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
- 烏の白糞(からすのしろふん):
(黒いカラスから白い糞が出ることから)ありふれたものから、優れたものや珍しいものが出ることのたとえ。
関連語
「鳶が鷹を生む」とは状況が異なりますが、「元のものより優れたものが出る」という点で関連する言葉です。
- 出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ):
弟子が師匠よりも優れること。
※親子関係ではなく、師弟関係における成長を表す言葉です。
対義語
「鳶が鷹を生む」とは反対に、「子は親に似るものだ(平凡な親からは平凡な子しか生まれない)」という意味のことわざです。
- 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる):
凡人の子は凡人であること。子は親に似るものだということ。 - 瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ):
(瓜の蔓に茄子(なすび)は実らないことから)平凡な親から非凡な子は生まれない、というたとえ。
英語での類似表現
「鳶が鷹を生む」のニュアンスに近い英語表現です。
A black hen lays a white egg.
- 直訳:黒い鶏が白い卵を産む。
- 意味:平凡な親(黒い鶏)から優れた子(白い卵)が生まれることのたとえで、「鳶が鷹を生む」と非常に近い表現です。
使用上の注意点
このことわざは、子どもの優秀さを褒める言葉ですが、同時に親を「鳶(平凡)」と表現する形になります。
使う相手や状況によっては、親に対して失礼にあたる可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ – 可能性は無限大
「鳶が鷹を生む」は、平凡な親から優れた子が生まれることを、鳥にたとえて表現したことわざです。
この言葉は、生まれや育ちがすべてを決めるわけではなく、人には無限の可能性があることを示しています。
どんな環境からでも、素晴らしい才能が花開くことがあるという、希望を与えてくれる言葉ですね。






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