子どもが親の身長をあっという間に追い抜いてしまったり、親と同じ道に進んだ子どもが、親以上の実績を上げたりする。
そんな、次世代の頼もしい成長ぶりや、親をしのぐ才能の輝きを表現する言葉が
「竹の子の親勝り」(たけのこのおやまさり)です。
意味
「竹の子の親勝り」とは、子が親よりも才能や性質が優れていることのたとえです。
また、子どもの成長スピードが非常に速いことを指して使われることもあります。
単に優れているというだけでなく、「親を追い越していく勢い」や「将来性」に焦点を当てた、ポジティブな褒め言葉として用いられます。
語源・由来

この言葉の由来は、植物の「竹の子(タケノコ)」の驚異的な成長速度にあります。
竹の子は成長が極めて早く、地面から顔を出してからわずか数旬(数十日)で、親竹と同じ高さ、あるいはそれ以上にまで伸びて竹となります。
この「あっという間に親を追い抜いて育つ様子」を、子が親の能力や地位を乗り越えて大成する姿に重ね合わせ、この言葉が生まれました。
使い方・例文
「竹の子の親勝り」は、主に子どもの成長や才能を称賛する場面で使われます。
「鳶が鷹を産む」が「親=平凡」という前提を含み、使い方によっては失礼になるのに対し、「竹の子の親勝り」は純粋な成長力や勢いを植物にたとえているため、比較的素直な褒め言葉として使いやすい表現です。
例文
- 父親も名医として知られていたが、息子はさらに新しい術式を開発した。まさに竹の子の親勝りだ。
- 久しぶりに会ったら、もうお母さんの背を抜かしたの? 本当に竹の子の親勝りで、成長が早いわね。
- 彼女のピアノの才能は母親譲りだが、表現力の豊かさは竹の子の親勝りと言えるだろう。
類義語・関連語
「親や師匠を超える」「成長が早い」という意味を持つ言葉です。
- 出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ):
弟子が師匠よりも優れた才能を表すこと。染料の藍(あい)から生まれた青色が、元の藍草よりも鮮やかであることに由来します。 - 鳶が鷹を産む(とびがたかをうむ):
平凡な親から優秀な子が生まれること。
※「鳶」は親を「平凡」と見ていますが、「竹の子」は親も立派(竹)であり、それを「勢いで超える」というニュアンスの違いがあります。 - 後生畏るべし(こうせいいおそるべし):
若者は無限の可能性を秘めており、将来どれほど立派になるか測り知れないため、敬意を払うべきだということ。
対義語
- 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる):
子は親に似るものであり、凡人の子はやはり凡人であるということ。「親勝り」とは逆に、親の枠を超えられない様子を表します。 - 瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ):
平凡な親から非凡な子が生まれることはないというたとえ。血筋や遺伝の強さを説く言葉です。
英語表現
英語には「竹の子の親勝り」に直結する植物の比喩はありませんが、子が親を超えることを表す表現は存在します。
He outshines his father.
- 意味:「彼は父親を凌駕(りょうが)している(輝きで勝っている)」
- 解説:Outshine は「~より明るく輝く」「~より優れる」という意味の動詞です。親よりも才能や実績が輝いている状態を表すのに適しています。
The student has surpassed the master.
- 意味:「教え子が師匠を超えた」
- 解説:弟子や子が、指導者である親や師の実力を上回った際に使われる表現です。
竹の子の成長に関する豆知識
「竹の子の親勝り」の語源となった竹の子(タケノコ)の成長力は、植物界でもトップクラスです。
環境が良いと1日で1メートル以上(約120cmの記録あり)も伸びることがあります。
多くの植物は茎の先端(成長点)だけが伸びていきますが、竹の子は皮を剥くと中に既に無数の「節(ふし)」が圧縮されて詰まっており、そのすべての節が一斉に伸びるという特殊な成長の仕方をします。
そのため、信じられないようなスピードで背が伸び、あっという間に親竹と肩を並べるのです。この爆発的なエネルギーこそが、「親勝り」の由縁です。
まとめ
「竹の子の親勝り」は、子が親をしのぐほど優秀に育つこと、また成長が非常に早いことを表す言葉です。
竹の子が猛烈なスピードで親竹を追い越して天へ伸びていく様子に由来します。
親にとって、自分を超えていかれることは少し寂しい反面、それ以上に誇らしいことでもあります。次世代が親世代を乗り越えていく力強さを、肯定的に見守る温かい言葉と言えるでしょう。





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