意味
「烏の白糞(からすのしろふん)」とは、平凡な親から予想をはるかに上回る優秀な子供が生まれることです。
「からすのしろくそ」とも読まれます。
全身が真っ黒なカラスから、対照的に白い糞が出るという日常の観察を、親子の資質の乖離にたとえています。
想定外の好結果に対する驚嘆や、稀有な才能を称賛する際の声色を帯びて使われます。
語源・由来
「烏の白糞」は、体の真っ黒なカラスが白い糞をすることにもとづく言い方です。
黒い親から白いものが出ることを、平凡な親から親に似ない優れた子が生まれることに見立てています。
使い方・例文
「烏の白糞」は、家柄や親の能力に似合わず、子が突出した成果を上げた場面で使われます。
- 凡才の私から博士が生まれるとは、まさに烏の白糞だ。
- 彼は烏の白糞と評されるほど、親の代を凌駕する才覚を持つ。
類義語・関連語
対義語
- 蛙の子は蛙(かえるのこはかえる):
子供の才能や性質が、結局は親の程度に収まる状態。 - 瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ):
平凡な親から、非凡な子が生まれることはないという道理。
大正の茶会記、骨董商の跡取りを「烏の白糞」とほめる
実業家で茶人の野崎幻庵は、茶会の記録をまとめた『茶会漫録』の第7集(1925年)で、大阪の骨董商・戸田露朝の跡取り息子が開いた茶会のことを書いています。
息子の才気と道具を見る目をほめたうえで、幻庵はこう続けました。
親父露朝子には内々の事ながら、其父が子としては実は烏の白糞也
(父の露朝さんには内緒だが、あの父の子としては、実のところ「烏の白糞」である)
子をほめると同時に、親を平凡な烏に見立てることにもなる言葉なので、幻庵は「父には内緒だが」と断りを入れたと読めます。









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